導入のご検討・新規登録はこちらから

2023年9月29日(Fri)
インフルエンサーマーケティングに対して、単に「インフルエンサーにPRを依頼すれば売れる」といったように感じている企業もあるかもしれませんが、その考えは大きく間違っています。
インフルエンサーマーケティングにおいて理解しておくべきなのが、インフルエンサーという「人」が「人」に伝えていくという「ヒト売れ」です。
インフルエンサーマーケティングにおいて、多くの企業は「ヒト売れ」のメカニズムを理解しておく必要があります。
今回は、今の時代にどのように商品やサービスが売れていくのかを解説します。
2017年12月の13日間、弊社では東京・表参道で『VINYL MUSEUM』 (ビニール・ミュージアム)というイベントを実施しました。
イベント内容は、若い女性に好まれそうなアートを鑑賞するだけではなく、アートの中に入り込んで自ら撮影ができるという内容です。
入場者は、自由に館内で撮影でき、その様子をインスタグラムに投稿できます。
入場料は1500円、滞在可能時間5分間、1回あたりの定員50人という制限も設けました。
私たちは、このイベントのプロモーションをインフルエンサーマーケティングだけで行いました。
結果として、開催期間の13日間で延べ5500人が来場。
本イベントから、インフルエンサーマーケティングによる2つのポイントがわかりました。
本イベントで、来場者が得られるものは「おしゃれな空間で写真を撮影できる」ことだけです。
来場者は、写真を撮影するだけのために1,500円の入場料を支払っています。
さらに、時間制限を設けることで、撮れるだけ写真を撮って沢山投稿したいという気持ちをかきたてました。
このことから、来場者の「自分も体験したい」という欲求の強さがわかります。
本イベントで弊社が行ったのは、インフルエンサーマーケティングのみです。
そのほかの広告宣伝は行っていません。
具体的には、招待した3人のインフルエンサーに「#VINYL MUSEUM」というハッシュタグを付けてもらいました。
結果として、インフルエンサーの投稿を見たフォロワーやフォロワーのフォロワーが関心を持っただけではなく、テレビ局やWebメディア、雑誌でも紹介されるまでのイベントとなったのです。
もし同じようにテレビやWebで取り上げてもらうほどの広告宣伝を行った場合、数億円の費用はかかります。
従来の広告とインフルエンサーマーケティングを比べると、大きく費用対効果が異なります。
先述した弊社で実施したイベントで来場者アンケートを行ったところ、イベントの開催を知ったのはインスタグラムと答えた人が全体の73%に上りました。
対して、テレビなどのマスメディアを見て来場された方は8%です。
つまり、インフルエンサーマーケティングを行わずにマスメディアのみの広告を行っていたら、数億円の費用がかかったにも関わらず、500名程度の来場者しか見込めなかったのです。
しかし、インフルエンサーマーケティングを軸としたことで、コストを抑えた宣伝が可能となりました。
インフルエンサーとは、広義では世間に与える影響が大きい人物を指します。
そのため、タレントや芸能人もインフルエンサーに含まれます。
しかし、タレントや芸能人のようなフォロワーの多いインフルエンサーが魅力的かというと、必ずしもそうではありません。
マーケティングの目線で魅力的なインフルエンサーとは、ただフォロワーが多いだけのインフルエンサーではありません。
最もインフルエンサーマーケティングに向いているインフルエンサーは、フォロワーの数でもテレビ出演の数でもなく、コツコツとフォロワーを増やしてきた一般のインフルエンサーです。
コツコツフォロワーを増やしてきたインフルエンサーの方が、狙ったターゲットに向けて、より低コストでマーケティングの効果を発揮できます。
一般人であるインフルエンサーがマーケティング効果を発揮する理由は、インターネットの進化とマーケティングの本質にあります。
以下では、インターネットと人と人との繋がりがどのように進化してきたかについて解説します。
日本でインターネットが一般的に普及してきたのは1998年です。
現在では多くの人が利用しているWindowsやiMacなども、この頃から利用が始まり、インターネットも珍しいものではなくなります。
現代と比べると少ないですが、この頃から企業やメディアなども公式なホームページを作るようになりました。
1999年にはNTTドコモの『iモード』が始まり、パソコンだけではなく、どこにいてもインターネットに接続できる環境、メールのやりとりができる環境が整います。
これにより、企業やメディアだけではなく、個人がインターネットを積極的に利用できるようになったのです。
しかし、この時代は、人と人とのコミュニケーションがまだ活発ではありません。
掲示板サイトによる情報交換程度はありましたが、SNSほどに人と人との距離が近くはありませんでした。
2003年までは、一方的に情報を提供するようなツールとしてインターネットが利用されてきましたが、2004年からは「交流」の要素が加わります。
とくに多くの人に影響を与えたのが「mixi(ミクシイ)」です。
mixiは知らなかった相手と同じ趣味や共通点で繋がれるといった特徴から、爆発的にユーザー数を増やしました。
そのほかにも、「前略プロフィール」などが流行り、インターネット上で個人の人格を持つ時代が始まったのです。
その後、ライブドアブログやアメーバブログのようなブログサイトが人気となり、コメント欄や足跡を通じて、多くの人がインターネット上で交流を繰り広げるようになっていきます。
インフルエンサーマーケティングの軸となる「Twitter(現:X)」や「Facebook」が流行し始めたのは、2008年からです。
2008年以前から海外では使われていましたが、2008年に日本語化されてリリースされました。
これらのSNSとブログやmixiとの違いは、シェアできる点です。
ユーザーは、他人が発信した気になる情報やタメになる情報を、多くの人にシェアするようになります。
しかし、インスタグラムにおいては、Twitter(現:X)とFacebookと若干の違いがあります。
インスタグラムにおいては、単なる情報ではなく、価値観をシェアする傾向があるのです。
他人にとって「これはタメになる」「これは知っておくべき」という情報ではなく、単に「自分はこういったものが好きだ」というアピールとしてシェアの機能が使われます。
つまり、他人のためにシェアするのではなく、自分の感性に共感してほしいという欲求を満たすためにシェアをしているのです。
この承認欲求を満たす上で進化を遂げたのが、Youtuberやインスタグラマーと呼ばれる存在です。
インターネットを介した人との繋がりの変化は、以下のようになります。
上記のように、現代は個人間の繋がりではなく、個人が多くの集団に影響を与えられる時代になっているのです。
インターネットの進化と共に、モノの売れ方も変化していきました。
従来は、企業が開発して販売すれば売れるような時代です。
しかし、ある時代から企業から直接消費者にPRするのではなく、企業から個人、個人から集団へと進化していきます。
以下では、どのようにヒト売れの歴史が形成されてきたのかについて、解説します。
ヒト売れの起源といっても過言ではないのが、カリスマ店員の存在です。
当時、多くの若い女性はギャルと呼ばれるムーブメントに夢中になりました。
そのなかでも、トレンドを作っていたのが『SHIBUYA109』で働くカリスマ店員です。
多くのギャル達は、カリスマ店員と呼ばれる存在に憧れて、同じような服やアクセサリーを購入していました。
つまり、当時の女性の間では、カリスマ店員こそがインフルエンサーだったのです。
ファッションモデルと比べて親しみやすいという特徴もあったために、カリスマ店員が注目されたといえます。
カリスマ店員の次に人気を得たのが、読者モデルの存在です。
これまでのファッションモデルは憧れの対象ではありながらも、親近感はありませんでした。
しかし、読者モデルは等身大のモデルであったために、多くの女性は親近感を得るようになったのです。
また、読者モデルは現在のインフルエンサーととても似ている部分があります。
読者モデルのほとんどは、モデルを本業としておらず、学生や社会人などをしながら副業としてモデルを行っていたのです。
このような「自分に近い存在」であったために、読者モデルが注目されたと考えられます。
読者モデル全盛期が過ぎるあたりでは、人々に与える影響が、アナログからデジタルに移行します。
読者モデルやカリスマ店員による影響は、実際に店舗に行ったり雑誌をめくったりするアナログなもので、インターネットを介したものではありませんでした。
そこで登場したのが、アルファブロガーの存在です。
アルファブロガーとは、ブロガーのなかでもとくに大きな影響力を持つ人を指します。
アルファブロガーが購入したファッションアイテムをブログで紹介したりコーディネートを披露したりすると、多くの読者たちはその人たちを真似するようになりました。
つまり、これまで店舗や雑誌などで真似する対象を探していた人たちが、デジタルで影響を受けるようになったのです。
このようにアナログからデジタルへ変化はしてきていますが、人は人から影響を受けるという点については変わっていません。
過去から現在まで、人は人から影響を受けるという点に変わりはありません。
しかし、過去のトレンドセッターとインフルエンサーでは、明らかな違いがあります。
厳密に言えば、影響を与える側の変化ではなく、影響を受ける側の変化です。
過去の影響を受ける側の人々は、カリスマ店員や読者モデル、ブロガーの影響を受ける一方でした。
しかし、現在は影響を受けるだけではなく、自分も影響を与える側になりたいと考えるようになったのです。
その結果、インフルエンサーの投稿を真似したりシェアしたり、なかには独特の感性で投稿内容を考えたりして、プロモーターとなっていきます。
つまり、従来のトレンドセッターは「読者モデルやカリスマ店員→消費者」という構図でなりたっていましたが、現在は「インフルエンサー→数十名のプロモーター→消費者」という構図に変化しているのです。
さらに、消費者のなかにも「影響を与えたい」と考える潜在的なプロモーターもいるので、より人を介した影響が拡散されていきます。
過去も現在も人が人に影響されて商品やサービスを購入するという大まかな流れに変化はありません。
いつの時代も、誰かに影響されて人は商品やサービスを知り、購入に至ります。
しかし、一つの影響が単発的に終わらないという点です。
SNSで承認欲求を満たしたい人が多い昨今では、自らがプロモーターへ、インフルエンサーへなりたいと考えています。
この考えが連鎖することによって、従来ではできなかった「影響の連鎖」が起こるのです。
現代のマーケティング、とくにインフルエンサーマーケティングにおいては、この「連鎖」による影響がどれだけ強いかを理解しておくべきでしょう。
LIWでは、マーケティング施策の企画戦略から実行までを一貫してサポートします。6,000社の実績データを基に成功パターンを共有させていただきますので、多業種の企業様に対してもご支援させていただきます。
LIWでは【認知・周知 ▷ 広告・宣伝 ▷ 制作・運用 ▷ 接客・販売 ▷ 調査・開発】
の5つのメイン機能を一元管理し、貴社のSNSやインフルエンサーマーケティング成功に導きます。
SNSやインフルエンサーマーケティングでお悩みの方は、LIWまでご相談ください。
https://service.liddell.tokyo/liw/