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TwitterはXへなぜ変わったのか?名称変更の背景と3つの理由
最終更新日 2024年10月17日(木)
記事作成日 2023年9月25日(月)
※2023年9月25日作成の記事です。
SNSのコミュニケーションツールで、140文字の短文をリアルタイムで発信できることから、人との繋がりを持ちたいユーザーにとって、ツイッターは日本でも広く利用されてきました。
アメリカのソーシャルメディア大手であるツイッターが2023年7月、15年の歴史に幕を下ろし、新名称「X」として変貌を遂げ、リスタートを切ったのです。
昨今、SNSやメディアにおける機能・内容の変化はめざましく、今後も長く生き残るには、より独創性やオリジナリティが求められていくでしょう。
この記事では、名称変更の裏側にある戦略や意図、ブランド力の向上など、背景と要因を深く掘り下げて解説していきます。
青い鳥「Twitter」はなぜ終了したのか
青い鳥「Twitter」が突然の終了を迎え、代替となるSNSを見つけるべきか、ユーザー達は今後の利用について様子見を続けています。
一体なぜ、長く親しまれてきたTwitterは唐突に姿を変えてしまったのでしょうか。
米テスラCEOによるツイッター買収提案
まず、事の発端は米国の大手電気自動車メーカー「テスラ」のCEOが、ツイッターに対して買収提案をしたことに起因します。
テスラのCEOと言えば、起業家イーロン・マスク(本名:イーロン・リーヴ・マスク)氏です。彼は他にも、宇宙開発や地下トンネルを使用した移動システム開発、人工知能開発など複数の会社を設立し、個人資産がトヨタ自動車の時価総額を上回る「天才経営者」と呼ばれています。
その彼が、2022年4月14日、ツイッターの買収提案を表明しました。
米証券取引委員会へ提出した資料によれば、ツイッターの全株買収を目指すイーロン・マスク氏は、4月14日時点で1株あたり45ドル前後のツイッター株を、54.20ドルでの買収を提案しています。
彼は、同年4月4日時点で全体の9.2%にあたる株式を保有していることが判明し、残りの買収額は約400億ドル、日本円にして約5兆円にのぼったとのことです。
ツイッター社とX社の合併
当初のツイッター社は買収には否定的で、防衛策として「ポイズンピル」の導入を進めていました。
ポイズンピルとはM&A(合併と買収)が盛んなアメリカで生まれた用語で、新株の発行により敵対的買収を阻止する防衛策のことです。
しかし、先述の通り、マスク氏の提案は当時の株価をはるかに上回る額で、この条件以上の支援先が見つからず、11日後の4月25日、ツイッター社は彼の提案を受け入れました。
ところが事態は一転し、7月8日、マスク氏は買収合意を撤回する旨を一方的にツイッター社へ通知したことで、ツイッター側から買収を実施すべく裁判を起こされています。
その後、勝訴の可能性が低いマスク氏は、事態収拾のため買収を再提案し、同年10月27日にツイッター社の買収が完了しました。
裁判所の資料によると、ツイッター社は、マスク氏の保有会社であるX社に合併し、消滅したことが明らかになっています。
Twitter」名称廃止で「X」に改名
このような過程から、ツイッター社の消滅とともに「Twitter」の名称が廃止され、新たに「X」と改名されたのです。
私たちにとっては突然訪れた改名ですが、マスク氏は、買収が完了する前からTwitterの活用法やシステムの在り方について、ビジネス・経営視点で様々な発言をしてきました。
はじめて買収提案をした時から、すでにマスク氏の脳内には、Twitter改革の構想が描かれていたのでしょう。
次に気になるのは、「X」と命名された理由についてです。
世間やユーザーの感想を聞くと馴染みづらさを否めませんが、現在考えられている3つの理由をご紹介します。
スーパーアプリ「X」を開発しているから
140という限定的な文字数にまとめて、思いを発信するのがツイッターの大きな魅力でもありましたが、マスク氏はこのシステムに否定的です。
天才経営者とも呼ばれる彼は、現代に必要な機能を一括でまとめる「スーパーアプリ」が必要であると考えています。実際に合併後、ツイッターが規制当局にライセンス申請した中には、金融決済サービスが含まれていたようです。
イメージ・ブランド力を改新するから
マスク氏の中では、買収前から「スーパーアプリの開発」に明確なビジョンを見出しており、ツイッターの面影を一掃し、全く別物のSNSプラットフォームとしての生誕を図っていたのです。
巨額の資金を支払って買収しましたが、スーパーアプリの開発には課題が山積みで、解決に向けてさらに時間とコストがかかります。
時間、コスト、さらにここまでの熱意を投じるのですから、新たなロゴから感じ取れる近未来的なスタイリッシュさ、また独創性とインパクトで改新したかったのでしょう。
「X」はイーロン・マスク氏を象徴する文字であるから
「X」への名称変更に違和感を持つ日本人は多く、国内では従来のまま「ツイッター」と呼び続ける人が多いのが現状です。
馴染みづらさはやはり拭えませんが、新名称として「X」が選ばれた理由は、マスク氏が大好きな文字であるから、と言われています。自身の会社や過去に手掛けた事業はもちろん、自身の子供にもXを付けるほど、Xはマスク氏のお墨付きのアルファベットなのです。
【過去にXを取り入れた名称一覧】
・X.com
・SpaceX
・Tesla Model X
・X Æ A-12 Musk
・Project X
・X Holdings
・X Corp.
・X Holdings Corp.
・xAI
イーロン・マスク氏は、買収以前からツイッターに対して敵視ともとれる言動を繰り返し行ってきました。2022年4月5日には、「投稿したツイートに対して、編集機能は欲しい?」と質問を投げかけ、ユーザーに対してアンケートを実施したこともあります。
マスク氏による大胆な言動に隠された狙いについて、真相を確認していきましょう。
大量解雇で収益性の挽回
買収直後、彼は世界のツイッターの正社員約7,500人のうち、半数にあたる約3,700人の大規模解雇に踏み切りました。また、契約社員の約8割、4,400人も解雇したようです。
ツイッターの営業利益は、2010~2017年まで赤字、2018~2019年は黒字に転じたものの2020年以降は再び赤字になりました。
上記の結果は、売上業績は上昇を続けていましたが、それにより従業員を多く持ちすぎ、人件費コストによるマイナスが大きかったためです。経営学に長けているマスク氏なので、業績立て直しのためにまずは数字から読み解き、早急に対応をとったのでしょう。
今後はAIでの業務代替で収益性の挽回を図っていますが、突然の大規模解雇、さらに十分な退職金を支払っていないことで訴訟に発展しているケースもあるようです。
「青い鳥に別れ」ロゴや内容の見直し
「ロゴ」は、会社や商品のサービスを象徴するシンボルマークで、非常に大きな存在意義を持ちます。
Twitterは直訳で「囀る(さえずる)」といった意味を持ち、シンプルで平和さを感じるこれまでの「青い鳥マーク」はまさにぴったりでした。
しかし、斬新なXへの改名とロゴデザインの背景には、買収提案時に発言していた「万能アプリのXを加速する」という理由が大きいのでしょう。
買収後には様々な機能が追加・廃止されてきましたが、2023年4月には投資プラットフォーム「eToro」との提携を発表しました。
マスク氏は投資の中でも特に仮想通貨による運用が好きで、Xにも投資要素の取入れに前向きであると思われます。
「X」によるサービス・機能の進化と多様性
ここまでの内容を読んで、ツイッターからXへ名称変更した裏事情について、少しずつ理解できてきたかと思います。
最後の章では、今後スーパーアプリ「X」誕生に向け、具体的にどのようなサービス・機能の進化を目指して展開を図るのか、解説していきましょう。
カスタマーエクスピリエンスの向上
前提として、サービス・機能の進化の意図は、カスタマーエクスピリエンスの向上でしょう。
カスタマーエクスピリエンスとは、顧客が特定の製品やサービス、ブランド、企業などの接点を通じ、取引の開始から終了までの期間に感じる価値や便益を指す、総合的な概念のことです。
競合他社よりも優れたカスタマーエクスピリエンスを提供することで、簡単に言えば「顧客満足度アップ」に繋がります。カスタマーエクスピリエンスが向上すれば、既存ユーザーからの口コミで、さらに利用者の増加が見込めます。
コンテンツ幅の拡充
新しいビジネスモデルでは、1つのアプリ内で多様なコンテンツの完結を目指します。先述した通り、金融決済サービスや投資プラットフォームなど、経済的要素の取り入れにも積極的です。
買収後、モーメントの作成機能停止や認証マークの変更など機能が改変されてきました。
また、「おすすめ(For you)」「フォロー中(Following)」タブでツイートを表示することが発表された後、「おすすめ(For you)」タイムライン表示に関するアルゴリズムを公開しました。アルゴリズムのオープンソース化により、ツイッター集客戦略が可視化されたため、集客ツールとしての参入者増加が見込めます。
注目したい点としては、日本でも2023年1月12日頃受付が開始された有料サービス「Twitter Blue」の登場です。
加入者限定で最大2時間の動画をアップロードできる動画発信フォームが誕生し、話題を集めました。さらに2023年3月30日には、データの収集・分析、ソフトウェア開発を行う「Twitter APIプラン」も発表されたことで、よりマーケティング思考も強まりを見せています。
理想像は中国SNS「WeChat」?
続々と進化を遂げるXですが、マスク氏が理想とするのは中国の「WeChat」だと言われています。生活の全てをまかなえるWeChatに対して、「素晴らしいアプリで、比較できるものは見当たらない」と称賛の意を露にするほどです。
WeChatは中国を中心に爆発的人気で、2022年5月の月間利用者数は全世界で12億人を突破しているほどです。
1つのアプリで生活すべてをまかなえるWeChatは、ボイスチャットや動画通話はもちろん、充実した電子マネー機能や多言語への即時翻訳機能があります。また、連絡先のシェアや近くのユーザーを探索することが可能で、名刺代わりとしてWe Chat IDが使われるほど、ビジネス面への浸透も垣間見えます。
他にも、遊園地などの入園チケットの手配や、レストラン予約、タクシーの配車サービスまで兼ね備えており、まさにマスク氏の目指す「万能アプリ」の象徴と言えるでしょう。
まとめ
従来のツイッターの特徴は、「発信」に重きを置いていました。
イーロン・マスク氏の買収劇でツイッターはXへ変貌を遂げ、「発信」に限定したフィールドから、「経済」「生活」へ拡充した、人生の総合的なプラットフォームとしての利用が期待されます。
現状では課題が多く、完成までに時間を要すことが予想されますが、企業はAI機能を取り入れた先進的なWebマーケティングツールとして、今後の進展にアンテナを張っておきたいところです。
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