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最終更新日 2025年3月31日(Mon)
記事作成日 2025年3月31日(Mon)
「マーケティング施策を打ち続けても、思うような成果が出ない」
この原因は、PDCAサイクルが「点」で評価され、マーケティングファネル全体の流れが考慮されていないからかもしれません。
施策ごとの効果を正しく測定し、改善につなげるためには、各施策を「線」でつなげ、統合的にPDCAを回すことが大切です。本記事では、ファネルごとにPDCAが機能しない理由を明確にし、解決策を解説します。施策の成果を最大化するためのポイントを押さえ、PDCAの精度を高めましょう。
目次
この4ステップからなるPDCAサイクルは、ファネルごとの施策効果を検証するために欠かせない指標です。
しかし、実際にはファネルごとのPDCAが上手く機能していないケースが見受けられます。ここでは、Webマーケティングに広く携わってきた弊社の知見から、PDCAが回らない理由と具体的な解決策を紹介します。
主に、PDCAの「P」や「C」がうまくいかない原因です。
ファネルの段階によってユーザーのニーズは変わります。商品やSNSアカウントの存在を認知したばかりの人と、商品を買うべきか具体的に検討している人とでは、考えていることは全く変わるでしょう。
このようなファネルのうち、段階ごとのユーザーの気持ちを理解していなければ、状況に応じた施策を講じられません。
【解決策】
段階ごとにユーザーが求めていることを洗い出し、ファネルごとにすべき施策のアイディアを膨らませてみましょう。
そのためには、マーケティングファネルに肉付けして「カスタマージャーニー」を作成するとわかりやすいです。
<カスタマージャーニーの例>
商品を認知したばかりの段階では、ユーザーの購買意欲はまだそれほど高まっていません。「こんな商品があるんだ」と思ったユーザーは、口コミなどを調べてこれから商品をさらに深く知っていきます。
例えばアパレルブランドをInstagram広告で見かけ認知した場合、アカウントのトップページに遷移して情報収集へと進むでしょう。
ここまでの2段階で施策を考えるとしたら、
以上のようなテーマで施策を深掘りできそうだとわかります。
そして、広告で見た商品以外にも様々な魅力的な洋服を扱っていることがわかると、ユーザーはもう少し具体的な検討を始めます。少しでも最適な選択ができるよう、他のブランドとの違いなどを調べる段階に進むのです。
他のブランドよりもさらに魅力的に見えるよう、キャンペーンやクーポンの案内を用意しておくなど、施策の候補を挙げられます。
カスタマージャーニーを使ったユーザー感情の分析は、Web記事などで多くの例が公開されています。「業界の名前 カスタマージャーニー 例」といったワードで検索し、考えを深める参考にしてみてください。
アイディア出しで行き詰まりを感じたら、chatGPTのようなAIの力を借りるのもおすすめです。訴求したい商品の概要などをAIに伝え指示を出すと、企業の状況に応じた回答を出力してくれます。
【chatGPTプロンプト例】 以下の条件に基づいて、マーケティングファネルの各段階(認知、興味、意思決定、行動)でユーザーの感情を考慮した施策例を教えてください。 #商材: [ここに商材を入力] #ターゲットユーザー: [ここにターゲットを入力] #目的: [ここに目的を入力] それぞれの段階で、具体的な施策と、ユーザーの感情や行動を反映したシナリオを教えてください。
なお、「ユーザーの感情の動き」を深く理解する方法は、「「顧客起点」が売上を変える!ユーザーの感情を捉えたマーケティング施策とは?」でも詳しくお伝えしています。
カスタマージャーニーができたら、次に必要なのが目標です。
目標設定が曖昧な場合、PDCAの「C」「A」が不明瞭となり、効果的な改善ができません。目標が不明瞭になる原因は次の2つが挙げられます。
目標設定の具体的な方法は、本記事後半の「施策ごとに的確な目標を設定するには?各マーケティングファネルで共通した「軸」を持とう」をぜひご参考ください。
例えば、SNS投稿で100万リーチを達成しても、その数字が具体的にどのような効果をもたらしたのか、不明となっているケースが多く見られます。
SNSやリスティングなどの各施策が独立して評価されてしまっているためです。「SNSは、SNSで明らかになった数字だけで評価」「リスティング広告は、ページの表示回数で評価」といった考え方では、施策が「点」で終わってしまうでしょう。
【解決策】
「点」から「線」へと変えるには、ファネル全体を連携させたKPIを持つことが大切です。これにより各施策が全体の目標に向かい、一貫性を持って進行できます。
<ファネルを連携させるポイント>
このように仮定して考えてみましょう。動画広告のインプレッション数とWebサイトのアクセス数をバラバラに計測していては、広告の精度を正確に把握できません。
動画広告に添付するURLを、計測可能な個別のものにするなどして、インプレッションからアクセスへ繋がったという根拠を集めることが大切です。
部署・ファネルを1つの線で判断できる統括者がいないと、すべての施策を俯瞰で見ることができません。それぞれがどのように影響し合ったのかが見えず、視野が狭まってしまいます。
または、統括者がいたとしてもCV(コンバージョン)やCPA(顧客獲得単価)のみを注視し、全体の進捗が見えていないケースもあります。
【解決策】
マーケティング全体を指揮する統括者を1人以上決めるようにしましょう。そして、たとえ CVに直結しない施策であっても、どのようにCVに寄与できたのかを統括者に報告することが大切です。
統括者には、「点」でなく「線」で施策を捉え、全体を広い視点で把握することが求められます。上流から下流までのすべての施策がどのように繋がっているかを確認し、改善点を明確にしましょう。
ポイントは、短期的なCVやCPAばかりに注目するのではなく、長期的な視野で判断すること。例えばSNSでのエンゲージメント率やウェブサイト滞在時間といった指標は、すぐには売上に直結しないかもしれません。しかし、少しずつでもユーザーとの距離が縮まれば、将来的にはCVやCPAに大きく影響する可能性があります。
各施策がバラバラに分析されると、全体の成果が見えにくくなります。
「オンラインショップでは目標売上に届かなかった」
「しかしSNSはリーチ目標をクリアできたから、SNS部門では問題なし」
もしこのような分析方法になっていたら、今すぐ改善しましょう。ファネル全体を見据えた総合的な分析に変える必要があります。
【解決策】
CVへの寄与度を、複数のデータから評価するようにしましょう。指名検索の数値やSNS内での数値など、媒体の垣根を超えたデータチェックが必要です。
<分析の例>
指名検索を拾うためのリスティング広告は、インプレッションシェアの数値がよく分析に用いられます。
※インプレッションシェア=広告が表示可能だった回数のうち、どれだけ実際に表示されたのかを示す割合。数字が大きいほど表示機会を活用できている。
※インプレッションシェア率=(実際の表示回数÷表示可能だったインプレッション数)×100
インプレッションシェア率の改善は、広告の質や予算に依存します。
広告出稿やクリエイティブの改善に今以上の予算をかけられない場合、認知から興味・関心にあたるファネルの施策改善が鍵となります。
例えば、10万回「リデル」というワードが検索されていて、インプレッションシェア率が95%の場合、広告の表示回数は95,000件。予算の都合、シェア率をこれ以上改善することが難しいケースがあるでしょう。そこでSNS施策も掛け合わせて考えると「これ以上の改善が難しい」という解釈が変わります。
SNSでのインプレッション(表示回数)を上げた結果、認知や興味・関心が高まり、Webでの「リデル」の検索回数が20万まで増えたと仮定してみましょう。するとインプレッションシェア率は一定のままでも、広告の表示回数は倍増することになります。
施策ごとに目標を設定する際は、一本の「軸」を設けることが重要です。
ここでCV(コンバージョン)を軸にする場合、分析の広がりに欠け、視野が狭くなることがあります。売上や顧客獲得といった直接的な成果にとらわれてしまうためです。
代わりにUGC(ユーザーの声)を軸に掲げ、より多様なアプローチへと繋げましょう。そのためには、UGCをマーケティングの中心に据える「顧客起点」の考え方が大切です。
例えば、UGCをクリエイティブやキャッチコピーに反映させると、認知から興味喚起までの施策が強化されます。UGC作成者のリアルな感情を根拠とすることで、他のユーザーからも共感を得られる可能性があるからです。
また、UGCがSNSに投稿されると、自社のアカウントとは別のルートで商品の認知が拡大します。SNS上でリーチを広げる効果も期待できます。
顧客起点への考え方に関しては「「顧客起点」が売上を変える!ユーザーの感情を捉えたマーケティング施策とは?」をご覧ください。
認知から購買、購買後の発信・推奨のマーケティングファネルを作れているとします。このマーケティングファネルの「購買」段階から逆算して、数値の例を確認してみましょう。
<仮定> 購買数(=CV)を100 コンバージョンレート(=CVR)を0.1〜1%程度 とする ※CVR(コンバージョン率):購入などの成果にいたった割合
<仮定>の数字をもとに「CV ÷ CVR」で計算するとセッション数がわかります。例えばCVR1%とするとセッション数は10,000です。
比較検討段階で注目するのがCTR(クリック率)です。
※CTR(クリック率):表示回数に対するクリック割合
この段階からは媒体をいくつか使い分けていることが想定されます。そのため媒体ごとに数字を追うのが良いでしょう。
といった具合です。
そしてセッション数をCTR(=クリック率)で割り、その媒体がリーチすべき数(インプレッション数)を把握しましょう。
例えばCTRが0.1%なら次のような計算ができます。
セッション数10,000÷CTR0.1%=1,000万 →1,000万インプレッションが必要だとわかる
認知から興味・関心の段階では
この2点を目標にしていきます。
※インプレッションシェア:広告が表示可能だった回数のうち、どれだけ実際に表示されたのか。本記事内「分析ができていない」への解決策として解説
「認知段階では認知度調査」と「興味・関心段階では…」など目標を明確に分けて考えることもできます。しかし施策自体が1回100万円など予算がかかるケースがあるため、目標をそれぞれ分けて考えるべきかは予算規模に応じて検討すると良いでしょう。
さらに言うと、広告やSNS施策では、インプレッション・リーチを目的とする認知向けの施策と、エンゲージメントや保存アクションを重視する興味喚起の施策に分けると、認知と興味・関心の段階を明確に区別できます。
この辺りは、マーケティングを専門にしている方以外から見ると、難しい計算のように感じるかもしれません。実際、施策のPDCAを回してこそ感覚を掴める部分でもあります。
「数字を追うべき重要性は理解しているが、説明がどうしても難しい」と感じた方は、ぜひ一度LIWへご相談ください。貴社の状況に合わせた数値の分析で、PDCAを円滑に回せるようサポートいたします。
マーケティングファネルにおけるPDCAサイクルがうまく回らない原因と、その解決策について解説しました。
この3点を改善するだけでも、PDCAの精度が大きく向上します。施策同士を「点」で孤立させず、1本の「線」として分析できるよう考えを深めましょう。
そのために特に重要なのは、顧客起点の考え方です。UGC(ユーザーの声)を軸に据え、顧客の視点からマーケティング施策を設計することで、より効果的な成果が期待できます。
「SNS施策や広告施策をやっているけど、イマイチ成果が出ない」
「デジタルマーケティングにおける数値分析の仕方がわからない」
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