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インフルエンサー起用による炎上リスク|「共感」が回避のポイント
最終更新日 2024年10月17日(Thu)
記事作成日 2024年5月23日(Thu)
昨今、インフルエンサーマーケティングをきっかけとした炎上の話題が絶えません。インフルエンサー側の発言で炎上するケースもあれば、企業が炎上するケースもあります。
インフルエンサーマーケティングにおいては、インフルエンサーという個人、商品やサービスのPRを依頼している企業、両者が関わるため、炎上するリスクも高いといえるでしょう。
しかし、抑えるべきポイントさえ抑えていれば炎上は回避できます。
インフルエンサーへの依頼で炎上!?対策のポイント
インフルエンサーを起用したマーケティングで、絶対に炎上を避けられるとは言い切れません。なぜなら炎上の火種は多様化しており、企業が予測していなかったきっかけで消費者の心情を損ねてしまうケースがあるからです。
しかし、インフルエンサーを起用する際の心掛けで、炎上を回避できることがあります。マーケティング実施前の段階で意識できる、炎上対策のポイントを確認しておきましょう。
インフルエンサーと契約を結ぶ
炎上対策やリスクヘッジの一つとして、インフルエンサーと契約書を交わす取り組みが挙げられます。
契約を交わすと、インフルエンサー側も「違反とならないように言動を配慮しよう」と身が引き締まります。「きちんと契約を巻いてくれる企業は信頼できる」とインフルエンサーが好印象を持ってくれることもあるでしょう。
企業がフリーランスに仕事を依頼する際のように、業務委託契約書の雛形を用意しておくことがおすすめです。
信頼できる企業からインフルエンサーを見つける
インフルエンサーと契約書を交わさずとも、安心して依頼できる方法があります。
それが、インフルエンサーマーケティングを行っている企業のプラットフォームを使ったり、企業から紹介を受けたりする方法です。
インフルエンサーマーケティングを行っている企業が紹介するインフルエンサーは、これまでの実績もあり、信用度も高い存在であることに間違いありません。個人で活動しているインフルエンサーだとしても、企業のお墨付きをもらっているのであれば、信頼度は高いといえます。
仮に契約書が必要な場合も、個人のインフルエンサーと契約書を交わすのではなく、紹介やプラットフォームを運営している企業側と契約書を交わせば良いのです。
それでも不安がある場合は、インフルエンサーとの契約書を作成しておくのも良いでしょう。
インフルエンサーへの依頼が怖い…。でも炎上はヒット商品のきっかけになる
インフルエンサーマーケティングに、炎上のリスクはつきものです。
しかし、炎上を100%防ぐというのは、昨今のSNSが主流になっている世の中では難しいです。
ただ、炎上というのは、ヒットのきっかけになるケースもあります。
なぜなら、炎上とヒットは表裏一体のような関係性だからです。
投稿に人気が出てバッシングされれば「炎上」、投稿に人気が出てバッシングされなければ「ヒット」となります。
つまり、唯一異なるのは「バッシングされるかどうか」なのです。
炎上のメカニズム
炎上からヒットに繋げるために、炎上のメカニズムについて、改めて理解していきましょう。
そもそも炎上が起きる主な原因は、人の嫉妬心であることが多いです。
もちろん、すべての炎上投稿に嫉妬心が関係しているわけではありませんが、嫉妬心から炎上が生まれる傾向にあります。
この嫉妬心をさらに紐解いていくと、そこにはインフルエンサーに対する「楽に稼いでいる」や「楽な商売をしている」という気持ちがあります。
このような気持ちから一度炎上すると、その投稿がどんどん拡散され、直接利害のない人たちまで火に油を注ぐような現象となります。
そして、ネット上でストレス解消を求めていたり不平不満のはけ口を探していたりする人たちの餌食となっていくのです。
これが、炎上のメカニズムです。
人の気持ちは裏返る
炎上のメカニズムは、もう1点あります。
愛情からの嫉妬心や憎しみです。
愛が深くなるほど大きな憎しみを抱いてしまうような、ドラマと同じ現象と考えてください。
インフルエンサーや企業のフォロワーについても同様です。今まで称賛してきたからこそ、ちょっとした一つの言動で気持ちが裏返ってしまうのです。
そして、大きな炎上につながっていきます。
しかし、ここで理解しておきたいのは、愛情から憎しみに変わるように、憎しみから愛情に変わるケースもあるという点です。
とことん炎上してしまった場合においては、同情の心から共感に変わるケースもあります。この頃には、ストレス解消を求めたり不平不満のはけ口を探していたりする人の熱も冷めている状態です。
こうして炎上が鎮火していく頃には、バッシングはほとんどなくなり「知名度」だけが残っていきます。
炎上商法はリスクが大きすぎる
昨今では、わざとSNSで炎上させて知名度を獲得していく「炎上商法」と呼ばれる方法があります。
とことん炎上させてしまえば、鎮火した頃には知名度だけが残るので、一つの戦略としてナシとはいえません。
しかし、炎上商法は企業におすすめできる方法ではありません。
とてもリスクが高く、企業イメージを損なう可能性の方が高いからです。鎮火するまでに相当な時間がかかるケースもあります。
そのため、炎上商法で知名度を獲得する方法は、企業としては除外しておくべきです。
インフルエンサー起用で炎上するのは「共感を生まない投稿」だから
炎上しないためには、炎上のメカニズムを知り、炎上と反対の方法を正しく行うことです。
先述したように、SNSでリスクを100%防ぐというのは、ほぼ不可能。どこで何が炎上の火種になるかは、誰も予想ができません。
では、炎上対策として何もできないわけではありません。正しい炎上のメカニズムを知れば、炎上対策はできます。
メカニズムさえ理解していれば、メカニズムを起こさない側に戦略を練っていけば良いだけです。
そこで、改めて重要になるのが「共感」になります。
炎上を生むのは共感ができないから
炎上の主な原因は嫉妬心だと解説しましたが、なぜ嫉妬心が生まれてしまうのでしょうか。それは、ユーザーが共感できる投稿をしていないからです。
炎上を防ぐための最大のリスクヘッジは、いかに共感を集められるかに尽きます。実際に、炎上するような投稿に「いいね」はほとんど付きません。
反対に、炎上しない称賛される投稿は「いいね」が多く付きます。
これは、単に称賛されているかどうかの指標でもあります。しかし極端に言うならば、ユーザーのことを考えた投稿であるかどうかの指標ともいえるのです。
つまり、炎上するような投稿は、ユーザーのことを考えて投稿されていないから、非難が集中してしまうということ。この点を理解していなければ、フォロワーの獲得はできませんし、インフルエンサーからも警戒心を抱かれてしまいます。
共感を集められない代名詞「ステマ」
炎上の原因は「共感できないこと」にあります。ここで考えなければいけないのは「いかに共感を集めるか」という観点ではなく「共感を集められない投稿はどのようなものか」です。
そこで、共感されない投稿の代名詞として「ステマ」(ステルスマーケティング)があります。
企業側としては「これは広告です」といった形でインフルエンサーにPRを依頼するのは、リスクに感じてしまうかもしれません。そのため、PRをPRだと感じさせないステマを選んでしまうケースもあります。
しかし、ステマこそ、共感を得られない炎上する投稿だと理解してください。
ステマは大昔に流行った手法ですし、昨今のSNSユーザーはステマをすぐに見抜きます。ステマだと見抜いた後に残るユーザーの感情は「騙された」や「裏切られた」です。
さらに、2023年10月からステマ規制法が施行され、PR案件には必ず「PR」や「広告」表示が必要になりました。そのため、ステマを行った時点で「法律違反」や「モラルに欠けている」という非難も受けてしまうでしょう。
炎上を対策するにはインフルエンサーに「企業PR」の表記を依頼しよう
SNSで「PR」と明記するのは、今後のSNSマーケティングにおいて必須の事項です。
だからこそ、ステマではなく、堂々とPR展開をしていけるように、インフルエンサーと協業していかなければいけません。
しかし、なかにはやはり「PR」明記することに対して、マイナスなイメージを持ってしまう企業もあるのではないでしょうか。
結論から言えば、PR明記でマイナスになる可能性はほとんどありません。以下で「PR明記」に対する考え方について解説します。
インフルエンサーにとってPRはステータス
まず、インフルエンサーが企業に依頼されて商品やサービスをPRするのは、メリットでしかありません。
「企業に言わされているように見られてしまう」という懸念点もあるかもしれませんが、それはインフルエンサーとの関わり方次第です。企業側がインフルエンサーに自由にPRしてもらえるよう依頼すれば、この懸念はなくなります。
そして、インフルエンサーにとってPR案件というのは、ステータスであるということを理解してください。
当然ながら、人気も影響力もないインフルエンサーに、企業からの依頼はありません。
つまり、インフルエンサーにとって企業からPRの依頼がくるということは、人気の証なのです。インフルエンサーのフォロワーも「PRをやるようになった」というネガティブな捉え方はしません。
むしろ「PRを依頼されるほど有名になった」と、自分の事のように喜んでくれるケースがほとんどです。
PRでインフルエンサーの意識が変わる
PR案件は、インフルエンサーの意識や活動の仕方を変えることにも繋がっていきます。なぜなら、PR案件を成功させるために、よりフォロワー数を増やし、より共感できる投稿をして、より独自の雰囲気を作っていこうと考えるからです。
インフルエンサーにとってPRを依頼されるというのは、自分の世界観が認められた証拠でもあります。そのため、より自分のアイデンティティを強くしようと行動してくれるのです。
その行動のなかで、自分の世界観に馴染ませつつ、PRする製品の面白い使い方や楽しみ方を見つけて、独自性の高い投稿をしてくれます。ここにはインフルエンサーの熱がこもっているので、投稿に対してフォロワーからも支持されやすいです。
PRでインフルエンサーの株が上がる
PRを投稿することで、インフルエンサー自身ではなく、インフルエンサーの周囲にいる人からの見られ方も変わります。もしインフルエンサーが一つのPR案件で注目されるようになれば、当然ほかの企業もそのインフルエンサーに注目しはじめるでしょう。
すると、インフルエンサーの投稿にはPRが多くなっていきますが、フォロワーも決してネガティブには受け取りません。むしろPRのハッシュタグがたくさんついているインフルエンサーを見て、「この人は影響力がある」「この人が発信しているなら流行る可能性が高い」と、ポジティブな見方をします。
つまり、フォロワーを騙すようなステマを使うよりも、堂々とPR表記をしたほうが、確実にメリットになるのです。
インフルエンサーもフォロワーも広告を理解している
企業側がインフルエンサーマーケティングやSNSマーケティングを行う上で最も理解しなければいけないのが、インフルエンサーもフォロワーも広告を理解しているという点です。
ステマが流行った頃は、まだ消費者の広告に対する知識が浅い時代でした。
だから、多くの人はステマに疑問を抱かなかったのです。
しかし、SNSが主流となっている昨今では、インターネットにおける広告に対する理解度は高まっています。そのため、ステマをステマだと見抜きますし、PRを悪ではないと理解しているのです。
一定数の企業は、まだ消費者に対して広告であるやましさを感じていますが、もう広告がやましい時代ではありません。消費者もインフルエンサーも、広告は広告だと理解した上でSNSを見ているのです。
インフルエンサーマーケティングで炎上しないポイントは「誠実性」
インフルエンサーマーケティングを含む、SNSマーケティングにおいて、今求められるのは誠実性です。炎上するような投稿やステマは、誠実性がないためにバッシングを受けます。
よりユーザーの知識や考えを理解して、誠実に向き合っていけば、ほとんどの炎上は防げます。
だから、ステマのように「ユーザーに広告だと気付かれたくない」ではなく、「これは広告PRです」と伝えるべきなのです。
昨今のユーザーは広告に対しての知識や理解も深まっているので、堂々と誠実に伝えて、ネガティブな感情になることはほとんどありません。
この現代の思考を理解すれば、よりインフルエンサーマーケティングを上手く活用できるでしょう。
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