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企業が「ファン」を育成するファンマーケティングとは?成功のポイントと事例紹介
最終更新日 2023年10月25日(Wed)
ファンマーケティングは、情報の移り変わりが激しい現代社会において、最も有効なマーケティング手法の一つです。
近年では新規顧客の獲得以上に、既存顧客のリピート率を向上させることの重要性が増しています。企業や商品サービスに対して愛着のあるファンを増やして、中長期的な売上の拡大につなげましょう。
本記事では、ファンマーケティングの基礎知識や活用メリットなどを紹介します。
ファンマーケティングを成功させるためのポイントと、他社の事例についてもわかりやすくまとめたので、ぜひお役立てください。
目次
ファンマーケティングとは
ファンマーケティングとは、企業や商品サービスに対する熱狂的な「ファン」を増やしていくことによって、中長期的な売上を目指していくマーケティング手法のことです。
従来の主なマーケティング手法は、TVや雑誌などのマスメディアによるアプローチがほとんどでした。しかし、スマートフォンの普及により、個人の口コミ評価やSNSの情報に注目が集まる時代へと変化しています。
そのため、企業側から愛用者に積極的なアプローチをするファンマーケティングが、売上拡大につながる重要な鍵となるのです。
ファンマーケティングの主な手法としては、愛用者と交流するイベントの実施(ファンミーティング)や、数量限定でフォロワーにプレゼント企画(SNSキャンペーン)、市場に出す前の商品販売(クラウドファンディング)など、多岐にわたります。
ファンマーケティングが注目される背景
ファンマーケティングが注目されるようになった背景には、少子高齢化による人口減少やインターネットの浸透があります。
- 熱量の高いファンが売上の大部分を支えている
- 新規顧客の獲得よりも既存顧客のリピートが重要になる
- 熱量の高いファンが自発的に新しいファンを増やしてくれる
3つの視点から、詳しく紐解いていきましょう。
①熱量の高いファンが売上の大部分を支えている
マーケティングの世界でよく使われる理論に「パレートの法則」があります。「80:20の法則」や「働き蟻の法則」とも呼ばれ、企業全体の売上の8割は、2割の社員が生み出しているという法則です。
これを多くの小売やBtoBに当てはめると、顧客全体のうち20%を占める優良客(=ファン)が、売上全体の80%を支えていることになります。
ファンマーケティングは、パレートの法則でいうところの20%の熱量の高いファンに対して積極的にアプローチするため、安定的な売上を達成するためのマーケティング手法として効果的といえるでしょう。
②新規顧客の獲得よりも既存顧客のリピートが重要になる
日本の人口が増え続けていた時代は、新規顧客の獲得を優先するマーケティング施策が主流でした。しかし、2008年の1億2,808万人をピークに日本の人口は減り続けています。
また、高齢者は新しい商品よりも、これまでのライフスタイルに合った馴染みのある商品を好む保守的な傾向があるでしょう。
人口減少と少子高齢化によって、新規顧客の母数が減るため、新規顧客の獲得以上に既存顧客からのリピートで売上を伸ばすファンマーケティングが重要です。
③熱量の高いファンが自発的に新しいファンを増やしてくれる
企業や商品に対して愛着を持つファンを育てることも、ファンマーケティングにおいて非常に大切なアクションです。
インターネットやSNSを使って商品の情報を自ら発信できるとともに、情報収集も手軽に行えるようになったことで、口コミなどの影響力が強まりました。熱量の高いファンが身近な人におすすめすることで、そこから新しいファンが流入し新規顧客の獲得に繋がります。
さらに、ファンの愛用する自社商品やサービスについてのリアルな意見を聞き、内容をしっかりと精査した上で反映することで、企業や商品とってプラスに働くこともあるでしょう。
市場に企業が入り込みファンと交流をして、利用者目線でのコンテンツを協働で作りあげる「マーケットアウト」の考え方が主流になってきています。
ファンの定義とは?
ファンマーケティングにおけるファンの定義は、企業の世界観や創業者の想いに共感し、商品サービスを熱狂的に支持し信頼してくれる顧客のことです。
もう少し具体的にファンを定義したい場合は、「売上金額」と「愛着度」の2つの軸から考えるといいでしょう。商品サービスを何度も利用し、多くのお金を支払っている顧客は、企業の商品を好んでリピート購入してくれている可能性が高いです。
そして、ファンの企業ブランドへの愛着度が高まっていくと「自分が愛着を持っている商品・企業を周りの人にも知ってほしい」という気持ちから、口コミやシェアといった行動を自発的に起こしやすくなります。
コミュニティマーケティングとの違い
ファンマーケティングに似ている手法としてコミュニティマーケティングが挙げられます。2つのマーケティング手法は、どのような点が異なるのでしょうか?
そして、ファンマーケティングとコミュニティマーケティングを掛け合わせることで、どのような効果があるのかを解説していきます。
コミュニティマーケティングはコミュニティの情報データを活かす手法
コミュニティマーケティングでは、企業とファン、ファン同士がつながってコミュニケーションを取れる場所を作ります。そこで得られる意見や情報などのデータを元に、マーケティング活動を行なう手法です。
最近はSNSコミュニティを活用することが多く、TwitterやInstagramなどのハッシュタグによって、商品やサービスに関心のあるユーザーを集めることができます。より深くつながれるコミュニティの場として、ユーザー専用のコミュニティサイトを運営することも有効です。
ユーザーコミュニティ内では、商品の使い方や顧客独自のアイディア交換が行われます。ユーザー同士の交流が活発化することで、カスタマーサポートの役割をユーザーが請け負ってくれるのもメリットです。
企業にとって、ユーザーコミュニティは新たなアイディアの宝庫であり、既存顧客との関係強化はもちろん、新商品の企画設定に役立てられるでしょう。
ファンマーケティングは企業が「ファン」を育成する手法
ファンマーケティングは、サービスやブランドに対して強い愛着を持ち、支持し続けてくれる顧客(=ファン)を育成します。企業がファンの数を増やす施策を行うことで、中長期的な売上の維持や拡大を図るマーケティング手法です。
ファンマーケティングの代表的な手法として、メルマガ配信やサブスクリプション運営、ライブ配信、サンプリング体験などがあります。ファンを育成し増やすためには、企業のファンになるメリットを生み出すといいでしょう。
ファンマーケティングが企業とユーザーの縦の関係を築く手法であり、コミュニティマーケティングがユーザー同士の横の関係を強める手法となっています。
2つのマーケティング手法を組み合わせることで、企業とユーザーのつながりが強固になり、ファンと協働するマーケティング活動が可能です。
ファンマーケティングの活用メリット
それでは、企業がファンマーケティングへ取り組むとどのようなメリットがもたらされるのでしょうか?
ファンが信頼性の高い口コミを形成してくれる
商品を購入する際、比較検討を行う材料として個人の感想や口コミをチェックされることが多いです。現在のマーケットでは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が売上に大きく影響します。
例えば、熱烈なファンがSNSなどで魅力的な口コミを発信することで、これまで興味を持つことがなかった新しいユーザーの目に留まり、顧客が増加する好循環を生み出します。同じ消費者目線であるファンの口コミは信頼性が高く、新規顧客をスムーズに獲得できるでしょう。
また、ファンによる良質な口コミはリアルな広告であり、企業にとって広告費の削減につながることも大きなメリットです。
ファンマーケティングを行うことにより、商品やサービスを支持してくれるファンが増加し、質の高い口コミをWEBサイトやSNSへ投稿してくれます。
安定的な売上基盤を確保することができる
ファンマーケティングでは、より熱狂的なファンを育成していくことで、一過性の売上ではなく長期的な売上を見込めるようになります。
ファンは、商品を熱烈に愛用してくれるヘビーユーザーです。ファンを大事にすることで売上が安定し、ニーズに合わせた商品を発売することで、売上アップにつながります。
定期的にファンから商品の意見や感想を得ることで、良い部分とともに、改良が必要な部分も知ることができるでしょう。ファンミーティングやサンプル体験を行い、ファンの声をうまく反映できる環境づくりが大切です。
さらに、そのファンから得た感想を外部に共有することにより、確度の高い新規の見込み顧客を獲得する可能性が増え、売上基盤がより強固なものになっていきます。
ファンマーケティングの活用デメリット
ファンマーケティングを活用する際には、注意しなければならない点もあります。事前にデメリットを把握して、ファンマーケティングを成功へ導きましょう。
成果が出るまでに時間がかかる
ファンマーケティングの注意点は、ファンを作り売上に反映されるまでに時間がかかるということです。顧客がブランドの価値を認識して愛着を感じるに至るまでには、それなりに時間と労力が必要となります。
時間をかけて企業のストーリーを伝えた結果、その理念や価値観に共感してファンになってくれるユーザーは、長期的に企業を応援してくれる可能性が高いです。時間をかけることで、競合他社との差別化を図れる点は魅力ともいえます。
根気強く、企業のコンセプトや商品の魅力を発信することが大切です。
そして、企業はファンとの交流において、「共感・愛着・信頼」を得られるように意識すると熱狂的なファンを増やせるようになります。ファンの声を受け止めて、しっかり反映している姿勢を見せていくことで、スムーズにファンの心をつかめるようになるでしょう。
閉鎖的なファン層が出てきてしまう
ファン層を強固なものにするには、ファン同士のコミュニケーションを促す仕組みを構築することが大切です。ファンが交流できるWEB上のコミュニティの場を用意したり、ファンが集うリアルイベントを企画したりといった施策も、ファン層の形成に役立ちます。
しかし、ファンマーケティングは、閉鎖的なファン層の醸成につながるリスクも併せ持っていることも気に留めておかなければなりません。コミュニティ内で独自のルールや文化が形成されていくにつれて、新たなファンがそこに参加することに対して、心理的な抵抗感を強めてしまう可能性があるでしょう。
ファン層の風通しを良くし続けるには、コミュニティ内でヒエラルキーが形成されにくい仕組みを整えることが重要です。参加時期に応じてコミュニティスペースを分けたり、コミュニティのルールを公開したりといった工夫をする必要があります。
ファンマーケティングの成功のポイント
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ファンの支持を強くするためには、LTV(Life Time Value)を上げて、ファンをコアファンにアップグレードすることを意識する必要があります。LTVとは、企業と顧客との取引期間中に、顧客がどのぐらいの金額を使うかの指標です。
それでは、熱狂的なファンの増やし方と、ファンマーケティングを成功させるためのポイントを紹介します。
応援される存在になる
ファンの支持を得るには、企業や商品が応援してもらえる存在にならなければなりません。
そのために、ファンにブランドや商品の価値を感じてもらい、企業の評価・評判をアップさせることが重要です。商品へのこだわりや企業の人間味を見せたり、等身大の発信を増やしたりすることも良いでしょう。
また、自社の商品やサービスを利用してSNSに投稿している人に、いいねなどで反応したり、フォロワーからのコメントに反応したりすることも効果的です。好きな企業から反応があると嬉しくなり、「これからも使い続けたい!」というような愛着につながります。
ファンにとって、企業が親近感を感じる存在になれば、長期的に応援してもらえることでしょう。
【関連記事】SNSマーケティング成功事例!企業の集客・拡散につながるプロモーションとは
無二の存在になる
人口減少や市場の成熟化が進むなかで、自社商品やブランドを唯一無二の存在にしなければ顧客は満足しません。
ファンで居続けてもらうためには、ファンである顧客を楽しませ、飽きずにワクワクさせるような企画を行う必要があります。企画内容として、新商品の展示会やテスター配布などが代表的です。
ファンマーケティングの施策によって、ファンに商品やブランドの価値を代えがたいものとして感じてもらいましょう。
熱狂される存在になる
ブランドや商品自体の価値は常に磨く必要があります。継続して熱狂される存在であるために、商品に込められた想いや大切にしている価値を全面にアピールして、ファンに“ハマってもらう”といいでしょう。
具体的なファンマーケティングの施策としては、クラウドファンディングやライブ配信などがあります。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同した人から資金を集める施策です。「世の中をよくするために、こんな商品を作りたい」といった想いを発信することで、それに共感し応援したいと思うファンを募ることができます。
また、YouTubeやTikTokなどのライブ配信を利用して新作商品を紹介したり、人気商品の販売をしたりすることで、熱狂的なファンが生まれやすいです。ライブ配信は臨場感があって共感を抱きやすい性質があるため、ファンになるきっかけとしてだけでなく、商品の売上にも直結するでしょう。
【関連記事】企業アカウントのYouTube運用のポイントは?
ファンマーケティングの他社事例
実際にファンマーケティングを実施して、一定の成果を出した他社の成功事例を紹介します。ファンマーケティングの参考にしてみてください。
KIRIN BEER SALON
キリンビールが運営している「KIRIN BEER SALON(キリンビールサロン)」では、毎回異なるテーマに沿ってキリンの人気講師と魅力的なゲストを招き、登壇者と共に五感でビールを体験するサロンイベントを実施しています。
ビールへの理解やメンバー同士のつながりが深まったり、サロンメンバーがイベント当日の様子を個人SNSで自由に発信したり、企業の枠を超えてビールそのものの価値向上が生まれているようです。
お手紙、いつも泣いちゃう。100人以上が参加して、オンライングループでも日々メンバー同士が誘い合ってる #キリンビールサロン すごいなぁって思うしビールは人と人をつなぐ最高のカルチャーだなぁと改めて思う。https://t.co/LBwVnDU3m4
— とみこ (@tomiko_tokyo) April 14, 2023
MAPPA
ビジネス面や技術面などの理由でアニメ化が難しそうな作品を、ファンの期待を超える形で映像化する制作会社として有名なMAPPA。「この世界の片隅に」の劇場版アニメ化を目指す際には、クラウドファンディングを活用しました。
プロジェクトページには、作品に対する制作者の想いや、制作過程であるシナリオ・絵コンテなどの情報を載せることで、ユーザーの共感や信頼を得ています。その結果、新規ファンの獲得と映画制作資金として約3,900万円の調達に成功しました。
ワークマン
ワークマンは、SNSでのユーザーの声に耳を傾け、作業着を必要とする人の新たな市場を発見しました。新たな需要があるキャンパーやライダーなど、さまざまなジャンルのファンをアンバサダーに抜擢し、一緒に商品開発やネーミング開発を行っています。
ファンと協働することで自社では出てこないようなアイデアを商品に反映したり、アンバサダーによる自発的な情報発信をきっかけに話題を作ったり、結果的にファンの増加と売上向上へとつながりました。
【関連記事】アンバサダーの意味とは?アンバサダーマーケティングや活用事例も紹介!
まとめ
時代に合ったマーケティング手法として、ファンマーケティングについて詳しく解説しました。ファンマーケティングを通じて、企業や商品に対して愛着を持っているファンを増やすことで、中長期的な売上拡大につなげることができます。
また、ファンと交流することで企業を応援してもらえるようになり、結果的に安定した売上基盤を確保できるメリットもありますが、成果が出るまでに時間がかかる点には注意が必要です。
そして他社の成功事例では、インターネットやSNSを活用したファンマーケティングの方法が参考になったのではないでしょうか?
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