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【食品メーカーのマーケティング事例5選に学ぶ】新たなファンを作るSNS戦略とは?
最終更新日 2024年9月6日(Fri)
記事作成日 2024年7月31日(Wed)
多くの食品メーカーは、小売店のPOSデータなどを参考にマーケティング戦略を考えてきました。しかしインターネットの普及により、オンライン上での広告出稿やインフルエンサータイアップといった、新たなマーケティングスタイルが生まれています。
本記事では、食品メーカーが手がけたSNSマーケティングの事例を紹介するとともに、訴求のアイディアやコツを紹介します。
顧客行動を自社で数値化したいと考える製品であれば、SNSマーケティングが特に効果的です。マス広告以外にもマーケティングの幅を広げたい方は、ぜひ本記事をご覧ください。
目次
食品メーカーが手がけたSNSマーケティングの事例5選
さっそく、国内の食品メーカーと弊社が取り組んだSNSマーケティングの事例を紹介します。事例と似た課題を抱えてマーケティングを考えている方もいらっしゃるかもしれません。自社のマーケティングにも落とし込めることがないか、ぜひ参考にしてみてください!
1.素もずくを若い世代にPR|山忠食品
山忠食品工業株式会社は、沖縄県産の“素もずく”を使った新ブランド「TSUKE MOZUKU(つけもずく)」を2023年に立ち上げました。このブランドは、もずくを麺つゆで食べる新しい楽しみ方を提案し、若い世代への認知拡大を目指しています。
長年もずく業界をリードしているものの、今までの購入者はシニア世代が中心でした。そこで若者に届けるにはどうすれば良いのか検討し、ノウハウがほとんどない状態からSNSマーケティングに挑戦したのです。
特に意識したのは「投稿するだけで満足しないこと」。リデルとの協業を通じてSNS運用のノウハウを習得し、インプレッション数やエンゲージメント率の分析を続けたそうです。
その結果、分析を根拠にさらに良い投稿へと改善したり、フォロワーの興味傾向がつかめたりと、効果的なマーケティングへとつながっています。
今後は、コアなファン同士の交流会やオフラインイベントも計画し「TSUKE MOZUKU」の魅力をさらに広めていく予定です。
関連記事:<若い世代を獲得>「麺つゆで食べる新しいもずく」SNSナイズされた新ブランド誕生へ
2.パスタソースをイベントで紹介|ハインツ
ハインツ日本株式会社では、厳選素材を使用した「大人むけのパスタ」シリーズを展開。インフルエンサーマーケティングを通じて製品の魅力を発信しています。
インフルエンサーを活用するフックとなったのが、試食イベントです。競争の激しいパスタソース市場で差別化を図るため、各都道府県の厳選素材とコラボレーションする「47都道府県のこだわりレシピツアー」を実施し、試食イベントを開催しました。
このイベントの体験や感想をインフルエンサーに投稿してもらい、消費者に伝えるというマーケティングに繋げたのです。
インフルエンサーによる投稿はデジタル広告だけでは伝えきれないリアルボイスであり、信頼の伴った拡散となっています。
インフルエンサーを活用することで「食べてみないと分からない体験」を伝え、消費者に商品の魅力をリアルに感じてもらうことができました。
関連記事:<本当の味を伝える> インフルエンサーが紡ぐ、大人むけパスタソースの魅力と真実の体験
3.マス広告からSNS広告へ拡大|湖池屋
湖池屋は、食品メーカーの伝統的な訴求から一歩進み、Z世代への新たな接点としてSNSマーケティングを導入しました。従来の食品メーカーというと、テレビCMなどを用いたマス向け広告が主流。一方で湖池屋では、SNSの中でも特にInstagramでのプロモーションに挑戦し、可能性を広げています。
主にインフルエンサーマーケティングに取り組んでいますが、最初は懸念もあったそうです。インフルエンサーの投稿が「広告」として捉えられ、消費者に対して不信感を生むのではないかと心配したのです。
しかし、インフルエンサーによる投稿にはポジティブなコメントが溢れ、当初の心配は払拭されました。
湖池屋ではマス広告も並行して活用していますが、SNSの優先度が高くなってきたと感じているようです。
関連記事:<伝統と革新の融合> 湖池屋がインフルエンサーマーケティングで切り拓く、Z世代への新たな接点
4.SNSを全国展開の足がかりに|寿がきや
寿がきや食品株式会社は、主に東海地方で麺類の製品を作っている企業です。製品の中でも「小さなおうどん」シリーズを全国展開させるため、Instagramを活用した新たなマーケティング戦略を採用しました。
インフルエンサーに「小さなおうどん」を味わってもらった上で、自然体での投稿作成を依頼するという施策です。寿がきやの思い描いた雰囲気での投稿ができ、露出も順調に伸びたといいます。
さらには、インフルエンサーの投稿から刺激を受けたユーザーにより、多くのUGC(ユーザー生成コンテンツ)が生まれています。インフルエンサーの投稿が一時的な流行で終わらず一般ユーザーに広がり、長期間にわたって良い影響をもたらしました。
関連記事:<全国への一歩>「小さなおうどん」がSNSで繋いだ、新たなファン層との温かな絆
5.リニューアル商品のファン獲得に挑戦|鈴木栄光堂
株式会社鈴木栄光堂は、スイーツで心を満たすというテーマで、多くのファンから愛されている老舗お菓子メーカーです。特に「ひとりじめスイーツ」や「magokoro」は、女性を中心に好評を博しています。しかし鈴木栄光堂では、リニューアル商品での認知度向上に課題を抱えていました。新商品をきっかけにSNSを始めたものの、うまく活用できていなかったそうです。
そこで取り組んだのがインフルエンサーに商品の紹介を依頼する施策です。インフルエンサーの投稿を通じて商品への関心が高まるとともに、ブランドイメージを形成できるのではないかと考えました。
施策の結果、商品の売上は約150%の増加を達成し、Instagramのフォロワー数も大きく伸びて1.2万人に達しました。
さらに、インフルエンサーを対象にしたグループインタビューやプレゼントキャンペーンも展開。特にプレゼントキャンペーンには500名以上ものインフルエンサーが参加してくれて、ブランドの認知度が急速に高まりました。
関連記事:<スイーツで心を満たす>鈴木栄光堂がインフルエンサー戦略で売上150%達成の軌跡
食品メーカーができるマーケティングアイデア3選
ここでは、食品メーカーが実践できるマーケティングアイデアを3つご紹介します。自社の製品にはどのような訴求方法が合うか、検討しながらぜひご確認ください。
1.インフルエンサータイアップ
SNS上で影響力を持つ人物に、自社製品のPRを依頼するマーケティングです。
ユーザーは、気になる食品があっても「好みの味じゃなかったらどうしよう」と不安に思い、購入を決断できないことがあるでしょう。そこでインフルエンサーに感想を投稿してもらうことで、購入の参考にできる一次情報を増やせます。
また、インフルエンサーのフォロワーにも製品が広まり、今まで接点がなかったユーザーにアプローチできます。
2.プレゼントキャンペーン
食品という特性上、味の好みが購入への障壁となることがあります。ユーザーが実際に味を試す前に購入を決断するのは難しいため、プレゼントキャンペーンはこの障壁を解消する良い手段となるでしょう。
さらに、プレゼントをきっかけに製品の味が気に入ったユーザーは、その後指名買いしてくれる可能性が高まります。
3.SNS広告
主要なSNSでは、アプリやサイトの中で有料の広告を流せる機能があります。
テレビCMをはじめとするマス広告よりも安価で出稿できることが特徴。さらに、SNSの利用状況やプロフィール情報を参考に、ターゲットを詳細に設定できることがメリットです。若者に買って欲しい食品なら10〜20代に広告を流すなどすれば、ピンポイントなアプローチが叶うでしょう。
また、ランディングページへの遷移数などを確認でき、広告の成果を数値として把握できます。
食品メーカーだからこそ効果につながるマーケティングのコツ
SNSには、すでに多くの食品メーカーが参入しています。競争が激化する中で自社の製品に注目を集めるには、ポイントを押さえた行動が欠かせません。
食品の訴求だからこそ意識したい具体的なコツを紹介しますので、特にSNSを使ったマーケティングでは以下の点を押さえましょう。
1.見た目に気を配る
製品の魅力を視覚的に訴求することが大切です。ユーザーが美味しそうと感じるいわゆる「シズル感」を意識するようにしましょう。
サラダならみずみずしさが伝わるよう水滴を写したり、ステーキなら肉汁が溢れる瞬間を収めたりして、ユーザーのイメージを膨らませるのです。
画面越しのマーケティングでは、製品の味を伝えられません。その代わり、視覚情報からユーザーの食欲を刺激し、購買意欲を高めることが重要です。
2.UGCを増やす
UGC(User Generated Content)とは、一般ユーザーが自発的に公開したコンテンツを指す言葉です。
ユーザーが自ら料理したり味をレビューしたりしてくれると、信頼性の高い宣伝となります。例えば製品を使ったアレンジレシピの投稿が出現すると、ユーザーは「自分も作ってみたい」「意外な使い道があって面白い」といった感想を抱くでしょう。
UGCを増やすには、製品にちなんだ投稿キャンペーンを企画すると効果的。実際に某コンビニでは、アイスのアレンジを楽しむ様子を投稿するとプレゼントが当たるキャンペーンを開催しました。その結果、キャンペーン用のハッシュタグでは300件以上のUGCが投稿されています。
3.価値観を重視する
食品業界における従来のマーケティングでは、ターゲットを絞ったセグメンテーション戦略が主流でした。「関東に住んでいる20代の女性」「30代で一人暮らしをしている会社員男性」といったプロフィールでターゲットを決めて、訴求方法を考えるのです。
しかし最近では、SNSで多様な発信に触れられるようになり、ユーザーは価値観に合ったコンテンツを求めるようになりました。
例としてカレールウをとってみると、様々な価値観を想像できます。
- 時短で写真映えするカレーを作りたい
- スパイスを揃えるなど手の込んだ料理はしたくない
- カレーライス以外のアレンジレシピを知りたい
そのため食品でもターゲットより価値観に重きを置き、ユーザーに刺さりやすい魅力的な訴求を目指しましょう。
まとめ:食品メーカーのマーケティングにSNSは有効!
食品メーカーは、ファッションやコスメ業界と比べると、マス向け広告の活用が目立ちます。もちろん、マス向け広告も効果的な手段ですが、SNSを活用することでさらにマーケティングの可能性が広がるでしょう。
今までのマーケティングスタイルをいきなり切り替えるのは難しいと感じる企業も多いのではないでしょうか。そこで、まずは他社の取り組みを参考にして、自社がSNSマーケティングをどのように活用できるかイメージしてみてください。
従来の広告活動に加えてSNSマーケティングもうまく取り入れることで、多くの人々に製品の魅力を伝えられるでしょう。