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インフルエンサーマーケティング成功理論-4 「エンゲージメント率の高いインフルエンサーの条件とは?最適なインフルエンサーの見つけ方」
最終更新日 2024年10月17日(Thu)
記事作成日 2023年10月24日(Tue)
インフルエンサーマーケティングにおいて、適任のインフルエンサーを見つけることは必須です。
インフルエンサーには得意・不得意があるので、自社のPRに合ったインフルエンサーを見つけなければいけません。
そこで、今回は最適なインフルエンサーの見つけ方について解説します。
なお、本記事で指すインフルエンサーとは、SNSの場で活躍している人を指します。
テレビや雑誌など、ほかのメインの舞台で活躍している上でインスタグラムを使用しているタレントやモデルは、本記事の指すインフルエンサーではないと考えてください。
インフルエンサーが持つ力とは?
SNSの世界では、直接の知人ではない人をフォローできます。
とくに多くの人が知人でないのにフォローする対象として、芸能人やインフルエンサーが挙げられるでしょう。
つまり、フォローする対象は憧れの人や尊敬できる人と定義できます。
この尊敬できる人が発信する内容に対して、多くの人は多くの影響を受けるのです。
2016年に米ツイッター社(現:X)が行った調査では、以下の結果が明らかになっています。
- 買い物について友人のアドバイスを参考にしている…56%
- インフルエンサーの投稿を頼りにしている…49%
このように、直接の知人ではないインフルエンサーの言葉に、多くの人は信頼を置いているのです。
インフルエンサーがエンゲージメントを高めるこだわり
インフルエンサーは、エンゲージメントを高めるため、日々努力と研究をしています
インスタグラムにどのような投稿を載せるべきか、雑誌の編集長のように写真から文章までこだわり抜いているのです。
写真であれば、どれを載せるべきなのか、反対にどのようなものを載せないべきなのか、背景やライティング、加工などにもこだわります。
読者が興味を持つような流れを作りつつ、飽きられないように新しい投稿も試しながら、常に関心を持ってもらえるようにしているのです。
そのため、インフルエンサーマーケティングを依頼する際にも、このインフルエンサーのこだわりについて理解しておく必要があります。
インフルエンサーは、独自で考え抜いたこだわりで勝負しているからです。
企業側が「こんなイメージでPRしてほしい」と伝えてそのとおりの投稿になってしまうのであれば、もはやインフルエンサーではありません。
エンゲージメント率を高めるインフルエンサーの見つけ方
私たちの調査では、エンゲージメント率が高くなっていくインフルエンサーのフォロワー数が、6,000~3万だとわかりました。
基本的に、SNSでフォロワーが増えていくと、反比例してエンゲージメント率は減少していきます。
しかし、6,000~3万人のフォロワーを持つインフルエンサーの場合は、変わった特徴があるのです。
フォロワー数がインフルエンサーの意識を変える
フォロワー数の増加とエンゲージメント率の増減についての流れを解説します。
上記で、一般的にフォロワー増加と同時にエンゲージメント率が減少する、6,000~3万人のフォロワーの場合は変わった特徴があると解説しました。
このからくりは、インフルエンサーの意識の変化といえます。
まず、フォロワーが少ないころ、つまりフォロワーが友人ばかりのころは、インスタグラムがコミュニケーションの場として使われます。
そのため、多くの知人から「いいね」やコメントがつき、エンゲージメント率が上がっていくのです。
しかし、フォロワー数が増えてリアルな友人の数が少なくなってくると、ただ眺めているだけのファンのような存在も増えていきます。
このファンのような存在は、基本的に「いいね」やコメントをしません。
しかし、フォロワー数が6,000から3万あたりになると、フォロワーも増え、エンゲージメント率も増加する流れへと変わっていきます。
なぜなら、インフルエンサー自身がインスタグラムの投稿にやりがいを感じ、フォロワーからリアクションをもらえるように工夫を重ねるようになるからです。
文章の量を増やしたり、写真の加工にこだわったり、ほかのインフルエンサーではおこなっていないような投稿をしたり、インフルエンサーによって工夫の形は様々です。
このような工夫や努力が顕著に表れているのが、6,000~3万人のフォロワーを持つインフルエンサーの特徴としてあります。
エンゲージメント率はインフルエンサーの属性によっても異なる
エンゲージメント率は、インフルエンサーの属性によっても異なります。
単にフォロワー数が多いだけでは、高いエンゲージメント率を獲得できません。
最適なインフルエンサーを見つけるには、そのインフルエンサーの属性も確認しておきましょう。
ここでは「トラベル・デリ(食べ物)・ファッション・ビューティー」4つの属性によるエンゲージメント率の違いの調査結果について解説します。
トラベルについては、男女問わず関心の高い話題であるため、5.92%という高い数値となりました。
インスタグラムは写真をメインに楽しむSNSであるため、海外の写真や非日常を感じられる写真にエンゲージメント率が集中するのは、自然な流れといえるでしょう。
デリ(食べ物)も同様です。
自分の料理の参考になるような情報があったり、食欲を刺激するような写真であったりする場合は、エンゲージメント率が高くなります。
一方で、ファッションやビューティーでのエンゲージメント率は、全体平均を下回っています。
なぜなら、ファッションの投稿で共感を得るのは、とても難しいからです。
フォロワーがファッションの投稿に期待するのは、お手本になる着こなしを見たいというニーズ、自分が着こなせないものをどのように着こなしているかを見たいというニーズの2つがあります。
憧れと実用の両方が求められるため、エンゲージメント率を獲得するには、かなりのテクニックが必要なのです。
ビューティーにおいてもファッションと似ている傾向ですが、ファッションよりもよりテクニカルなアイテムの使い方を 求められたり男性からのエンゲージメント率を高めにくかったりする難しさがあります。
このように、エンゲージメント率には、インフルエンサーの年齢や性別、得意な分野が大きく関係します。
最適なインフルエンサーの見つけ方
自社のPRに合った最適なインフルエンサーを見つけるには、インフルエンサーが個々で持つ特徴を理解しておかなければいけません。
大まかなターゲットを決めるのと最適なインフルエンサーを選ぶのでは、まったく考え方が異なります。
数名のインフルエンサーがいて、仮にフォロワー数もエンゲージメント率も同じだったとしても、そのインフルエンサーの投稿内容は当然同じものではありません。
仮にそのインフルエンサーを「30代女性」と絞ったとしても、まったく同じ投稿内容にはならないでしょう。
30代女性と言っても、モード系やかわいい系、綺麗系など、住み分けが異なるからです。
インフルエンサーにPRを依頼する企業は、これらの違いを踏まえておく必要があります。
インフルエンサーによる違いの例
インフルエンサーによる違いの例を解説するにあたって、仮の状況を考えてみましょう。
たとえば、あなたが外資系ハイファッションブランドのPR担当者だったと仮定してみてください。
ブランドのターゲットはシーズンごとのモードやトレンドへの感度が高く、 海外セレブのライフスタイルに憧れを持つ、 被服費などにお金を惜しまないタイプです。
では、このケースの場合、以下のインフルエンサーから、どのインフルエンサーが適切でしょうか。
- A…フォロワー数約2万人
- B…フォロワー数約6万人
- C…フォロワー数約4万人
- D…フォロワー数約3万人
フォロワー数だけで比較した場合、当然Bのインフルエンサーを選びたいと感じてしまうかもしれません。
しかし、フォロワー数だけで選んでしまうのは間違いです。
適任のインフルエンサーを見つけるには、そのインフルエンサーの世界観を知らなければいけません。
たとえば、上記4名のインフルエンサーに、下記の特徴があったとした場合、どのインフルエンサーが適任でしょうか。
インフルエンサー | フォロワー数 | 投稿の傾向 | 雰囲気 |
A | 約2万人 | 海外で撮影した写真が多い | ハイエンド・ラグジュアリー |
B | 約6万人 | カラフルなコスメや自撮り | ゆるふわ系 |
C | 約4万人 | 落ち着いた色味の小物やコスメ | コンサバティブ |
D | 約3万人 | 子どもとの写真など | カジュアル |
上記のなかで外資系ハイファッションブランドのPR担当者であるあなたが依頼すべきインフルエンサーは、Aです。
仮に上記4名が同世代だとしても、これだけの投稿の違いがあるので、インフルエンサーに依頼するときには、必ず世界観を確認しておかなければいけません。
適任のインフルエンサーを見つけずに自社に合わすのは大きなミス
インフルエンサーにPRを依頼したい企業のなかには、単にフォロワー数の多いインフルエンサーに依頼して、自社の方向性に合わせてもらうという方法を検討するケースもあるかもしれません。
しかし、インフルエンサーの世界観を尊重しないPRは、誰も幸せになりません。
たとえば、新規オープンのアンテナショップ(アウトドアグッズ)のPRのため、インフルエンサーマーケティングを行うとします。
インフルエンサーの選定をキャスティング会社に依頼したところ、フォロワー数7000のインフルエンサー30人(ガーリー系)を集めてきました。
世界観については無視した状態であると考えてください。
このような結果何が起きてしまうのか、以下で解説します。
インフルエンサーと商品のイメージが合わない
まず第一の問題として、ガーリー系のインフルエンサーとアウトドアグッズとのイメージが噛み合いません。
普段からガーリー系の投稿をしているインフルエンサーとしては、どこでどのように自分をアピールすべきか、どこでどのようにイベントを盛り上げるかわかりません。
イベントとして開催したとしても、多くの人からは、その不釣り合いな世界観に疑問を抱かれてしまうでしょう。
インフルエンサーの世界観を表現させられない
アウトドア一色の店内でも、インフルエンサーはどうにかお店のPRにもなり、自分らしさも表現できる場所を見つけようとします。
そこでインフルエンサーは、キャンプ場をイメージしたお花の飾られてあるエリアを見つけて写真を撮ろうと考えます。
お花がある場所であれば、ガーリー系のインフルエンサーのイメージと、そう大きくは逸れません。
しかし、投稿を依頼する企業には、アンテナショップの一角に設けた撮影用のブースで写真を撮ってほしいという意向がありました。
そうなってしまうと、ガーリー系のインフルエンサーの世界観を表現させることが難しくなってしまいます。
インフルエンサーの印象を落とす
ガーリー系のインフルエンサーが、企業の言う通り、ロゴが写り込んだ撮影ブースで写真を撮ったとした場合、インフルエンサーの印象を落とす可能性があります。
なぜなら、インフルエンサー本来の世界観と大きく異なるからです。
その投稿を見たフォロワーは、いつもと違う雰囲気の投稿に驚き、共感もできないため「いいね」やコメントをしません。
なかには、軸のブレた投稿にショックを受けて、フォローを外してしまう人もいるでしょう。
企業側も効果を得られない
インフルエンサーが共感を得られる投稿ができなければ、当然企業として期待していた効果も得られません。
その結果、企業側は、インフルエンサーマーケティングは効果が出ないと考えてしまうでしょう。
このように、インフルエンサーマーケティングは、どのような属性のインフルエンサーに依頼するかが、とても重要になるのです。
インフルエンサーマーケティングに適切なインフルエンサーは自社によって異なる
インフルエンサーマーケティングを行うなかで、適切なインフルエンサーとは、フォロワーの数ではありません。
最も適切なインフルエンサーは、自社のPRしたい物と属性や世界観が合っているインフルエンサーです。
もし価値観や世界観が合っていないインフルエンサーに依頼してしまった場合、ほぼ確実にインフルエンサーマーケティングは失敗に終わります。
インフルエンサーマーケティングにおいて重要なのは、フォロワー数ではなくエンゲージメント率です。
この点を理解しておかなければ、インフルエンサーマーケティングをうまく活用した集客はできません。
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