コラム

インフルエンサーマーケティングの「失速」!?それともマーケターの「無策問題」??その実態とは!

最終更新日 2025年3月7日(Fri)

記事作成日 2024年8月1日(Thu)

最近、「インフルエンサーマーケティングは失速している」というような見解がネット上でよく見受けられます。

・市場の飽和状態
・インフルエンサーの不適切な選定 
・投稿コンテンツのクオリティ低下 
・リアルボイスの欠如

などの理由が散見されます。
結論からいうと、インフルエンサーマーケティングは失速はしていません。

「考えもせず、ただインフルエンサーをキャスティングしていることをマーケティングと呼んでいる、至らないマーケターだけが失速している。」

この記事では、「なぜ、どのようなマーケティングの潮流でそのような主張が増えたのか」、これまで7,000社以上のインフルエンサーマーケティングを支援してきたLIDDELLならではの視点で解説するとともに、これから企業がインフルエンサーマーケティングに取り組む上で大切にすべき視点をお伝えします。

インフルエンサーマーケティングを正しく理解し、成果のある取り組みがしたいと思っている方はぜひご覧ください。

「インフルエンサーマーケティングはオワコン」とされる3つの主張。と、それ自体の問題点とは。

「インフルエンサーマーケティングはオワコン」とされる3つの主張。と、それ自体の問題点とは。
なぜ「インフルエンサーマーケティングは失速した」という記事が目につくようになったのか。「失速した」「オワコンだ」と語る記事に共通する3つの主張について、その問題や誤解を1つずつ見ていきましょう。

1.「市場が飽和した?いやいやブルーオーシャンです」

1つ目は、広告主(企業)もインフルエンサーも2010年代後半から急激に増えたことで、市場が飽和してしまったという考え方です。

具体的な市場規模は、2022年時点で615億円にまで上り、まもなく1000億円に到達すると言われています。

市場が急速に拡大した理由の一つとして、インフルエンサーマーケティングっぽい事業は参入障壁が低いからです。初期投資が低コスト(ほぼゼロ)で、流通チャネルも考慮する必要がありません。 スタートアップ企業などの競合は多いですが、人気インフルエンサーと仲が良い、インフルエンサーと10人くらい友達だというだけで、強力なメディアを保有した感覚でサービスを提供できてしまう。

結果、影響力を持った友達と付け焼き刃の知識でインフルエンサーマーケティングを展開する企業が増え、それに気づかず依頼をする代理店やメーカーが同質的な施策を実行する。

ユーザーは似たり寄ったりのPR投稿を多く目にすることとなり、
そのような投稿は当然、新鮮さが失われ、ユーザーが興味を持ちづらいものになります。

これで、「インフルエンサーマーケティングは効果がない」と結論づけるのはあまりに短絡的です。
無策なプロモーションでも効果を発揮してきたというのは市場の伸び代は大きいと思います。
むしろ、綿密に考えたインフルエンサー施策であれば未開拓の新市場とも言えますね。

2.「インフルエンサー選定をとても甘く見ている」

2024年現在でも、多くの企業がフォロワー数の多さや流行性だけを基準にインフルエンサーを選んでいる状況があります。その結果、インフルエンサーのPRとブランドが伝えたいメッセージが上手く噛み合わず「期待する効果ではなかった」「ブランドに合う人が見つからない」といった評価につながります。

このようなミスマッチが起こる原因として、「インフルエンサー キャスティング」をしていることが挙げられます。

キャスティングというのは、
⑴ 適材適所割り当てること ⑵ 配役すること

タレントキャスティングはマス広告と相性が良く効果が見込めます。
多くの人に一様の認知とイメージブランディングが期待できます。

インフルエンサーもタレントのようにキャスティングされることは少なくはないです。
モデルやタレント・アーティストのように、インフルエンサーがブランドのバックパネルの前で写真を投稿する施策などは、とても疑問が多いです。

インフルエンサーの影響力はそれぞれですが、体験談を持ってHOWTOをシェアしたり、等身大の感想やリアルボイスの発信、その人の価値観や世界観が共感されたりすることです。

好感度が高く万人受けしているタレントのような役割ではありません。
(中にはそういうったインフルエンサーもいますが)

インフルエンサーはキャスティング(配役)ではなく、<タイアップ>すること、さらには<パートナー>になることが重要です。

これまでは、無策なキャスティングでも効果があったかもしれませんが、これからはそうはいきません。

しかし、インフルエンサーの本当の価値を理解すれば、この問題点は解決可能です。

簡単にいうと「ただPRしてもらうだけ」という<一方通行>な考え方を捨て、<双方向>で考えることです。

次のような「関係性」をしっかり理解することが大切です。

①ブランド/サービスとインフルエンサーの関係性

②インフルエンサーとフォロワーとの関係性

③ブランド/サービスと課題や目的とインフルエンサーのインサイトデータの関係性

④24 時間で消えるのか、静止画・動画など投稿コンテンツとの関係性

⑤ブランド/サービス・インフルエンサーとSNSプラットフォームとの関係性

⑥投稿施策とアルゴリズムの関係性

(①〜⑥のホワイトペーパーがあります。お気軽にお問い合わせください。)

リデルでは、インフルエンサーマーケティングの最重要ポイントは何かと問われると「選定」と答えます。
当たり前なことが一番難しいですが、関係性を重視したインフルエンサー選定なら「企業・インフルエンサー・ユーザー」が三方よしの関係を構築し、期待する効果が見込めるでしょう。

3.「圧倒的にインフルエンサーのクオリティと信頼を下げる方法」

最近、インフルエンサー投稿のクオリティが低下していると風潮がありますが、その多くは、企業からの指示によりインフルエンサーが自由な発言を制限され、表現の幅が狭まるケースや、前項でも書いたような依頼内容とインフルエンサーとの関係性があってない場合など、総じて質を下げるコミュニケーションを企業がしていることが多いです。

適材適所の問題で、インフルエンサーの持つ資源を最適化し、有効活用することができておらず、クオリティを激減させています。
その中でも、忖度のない自由なレビューを求める企業もたくさん存在します。
価値観をベースにした自由な表現はユーザーから共感されやすく、PRを意識した形式ばったコンテンツよりも高い評価を得られるでしょう。

そして、インフルエンサー施策の最大の魅力である「フォロワーからの信頼」を素早く損失するには、「体験していない」ことを投稿させたり、ステマやグレーな投稿をさせたり、このようなオーセンシティ( 確実性、真実性、信憑性)がない方法が一番効きます。

これをやっているケースも多々見られます。

SNSユーザーもフォロワーも、様々なPR・広告に慣れています。
PR投稿に嫌悪感はなく、インフルエンサーやタレント・モデルなど影響力があればタイアップは当たり前なことだと思っています。

しかし、インフルエンサーの「本音が感じられない」「言わされている」などと、それはリアルボイスなのかを見抜く力が高まっています。

そして信頼性が低下した結果、インフルエンサーのメッセージがフォロワーに響きにくくなり、効果が激減します。

逆に、インフルエンサーの日頃の趣味嗜好や主張と一致しており、PR投稿というのも堂々と言いながら、「本当に好きなものです」「ここはあまり好きではない」と正直に投稿できると、フォロワーからの大きな信頼性とエンゲージメントが生まれ、大きな影響を発揮すると考えられます。

真の問題点を直視せよ。
無知ゆえに失敗するインフルエンサーマーケティング

真の問題点を直視せよ。 無知ゆえに失敗するインフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングが急速に広まった結果、無知ゆえの誤解や失敗から成果の上がらない取り組みが増え、「インフルエンサーマーケティングがオワコン」という声につながっています。

インフルエンサーにPR投稿してもらうというシンプルさが故に、軽視しがちな戦略。
実際、そのような取り組みにおいては、「インフルエンサーマーケティング」というより、手の空いたインフルエンサーを「キャスティング」しているだけのケースがほとんど。マーケティングとキャスティングは全くの別物なので、キャスティングだけではマーケティングとしての成果には繋がらないのも当然です。

インフルエンサーマーケティングが失速したのではなく、従来の施策の問題点がようやく浮き彫りになり始めたのです。その点においては、インフルエンサーの影響力に甘えた、おんぶに抱っこなマーケティング施策はたしかにオワコンでしょう。

しかし、自社のSNSマーケティングやインフルエンサーとしっかり向き合い考え抜いて、施策に取り組めば、今までにない価値を創出できます。

リデルでは2014年から、フォロワー数ではなく、影響力やフォロワーとの関係性を重視し、あらゆる課題を解決してきました。インフルエンサーマーケティングは失速するどころか、施策を通して可能性への期待が膨らむ一方です。
インフルエンサーマーケティングの重要な点をしっかり抑え、前提知識と戦略を持って取り組むことが、これからのインフルエンサーマーケティングには欠かせないと言えるでしょう。

インフルエンサーマーケティングの実態を打破するために重要な3つの目線

インフルエンサーマーケティングの実態を打破するために重要な3つの目線
本質的な考え方がともなえば、インフルエンサーマーケティングが失速したと捉えるのはナンセンスだとわかります。とはいえ、この「本質」がわからず立ち止まっている方がほとんどなのではないでしょうか。

そこでこの章では、インフルエンサーマーケティングを理解するために養うべき3つの視点を解説します。

1.インフルエンサーの考えは常に変化している

例えば、インフルエンサーは「フォロワーを増やしたい」から「フォロワーを減らしたくない」という意図に、3年ほど前から変化しています。

近年のSNSは、表層的な数字で承認欲求を満たすためのツールではなく、関係維持欲求が根本にあります。価値観をベースにした発信で、フォロワーの満足度や共感、繋がりを大切にするようになっています。

その結果インフルエンサーは、フォロワーに勧めるに値するか、PR前に商材を吟味することが増えました。インフルエンサーがどのような価値観を持っているのか知り、それにマッチした施策を依頼しなければ、PRは成功しません。成功しないどころか、インフルエンサーに受け入れてもらえず、スタートラインにすら立てない可能性があります。

2.インフルエンサーはパートナーであり協働相手

インフルエンサーは、単なる広告媒体ではありません。

企業とインフルエンサー、そしてその先にいるフォロワー、どの立場にもメリットがあるWin-Winな関係構築が求められます。

そのため報酬額の高さだけでなく、フォロワーにいかに喜んでもらえるかを念頭に、PRを組み立てましょう。

3.インフルエンサー選定にこだわりを持つ

「フォロワーが多いインフルエンサーにあやかる」「動画の再生回数が多いインフルエンサーに頼めれば勝ち」といった思考は、もはや時代遅れ。

数字だけを起点としたインフルエンサー選定では、十分な効果を発揮できません。数値化できない視点も踏まえた、ロジカルかつエモーショナルな人選が欠かせません。

一見当たり前に重要な「インフルエンサー選定」のステップですが、実は最も難しい部分なのです。

そもそもインフルエンサーはフォロワーとの良好な信頼関係で成り立つもの。そして企業は、インフルエンサーが築いた信頼関係を借りて、PRをさせてもらう立場です。

企業の宣伝方針に無理に合わせさせるのではなく、インフルエンサー自身の世界観で本音を語ってもらえるような人選を心がけましょう。

インフルエンサーマーケティングは「ファン・コミュニティ」に進化しつつある

インフルエンサーマーケティングは「ファン・コミュニティ」に進化しつつある

当面の目標は、従来の単なるPR依頼から脱却し、より価値の高いインフルエンサーマーケティングを実現することです。

そして、さらにその先に見据える市場があります。
インフルエンサーが活躍する舞台はSNSですが、その次にあるのが「ファン・コミュニティ」の存在です。

ファン・コミュニティとは

SNSにおけるインフルエンサーとフォロワーの1対nの関係性は、同じ考えや趣味・趣向があるクラスターと言えます。
コミュニティとは、交流や共通目的などからなる絆を持っていることが定義だと考えます。
インフルエンサーは、同じ価値観や目的を持ったユーザーの集まり(コミュニティ)のリーダーとしての役割へと進化を遂げていこうとしています。
そうなると、これまでとは別次元のコミュニケーションが必要になってきます。

「ファン・コミュニティマーケティング」とはどのような考え方なのか、ぜひチェックしておきましょう。
これまでのインフルエンサーマーケティングの経験が糧となり、コミュニティマーケティングを加速することができるでしょう。

まとめ

誤ったインフルエンサー選定などで、PRに失敗するケースがあるのは事実。浅薄な考え方でマーケティングに取り組めば、当然ぶつかる壁です。

そのためネット記事などで挙げられるインフルエンサーマーケティングの問題点は、マーケティング企業なら知っておくべき、ごく当たり前のトピックと言えます。

インフルエンサーマーケティングは、廃れるどころか新たなステージを迎えています。
インフルエンサーは単なる憧れの的にとどまらず、同じ価値観を持った人の集まり(コミュニティ)を束ねるリーダーへと変貌しているのです。

「フォロワー数が多い人に宣伝してもらう」という思考は捨て、インフルエンサーと共にコミュニティを創出することも、ぜひマーケティングの選択肢に入れてみてください。

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