コラム

【本紹介】「具体と抽象」の概念を仕事に生かそう

最終更新日 2024年9月17日(Tue)

記事作成日 2023年12月23日(Sat)

仕事で行き詰った時やステップアップしたいと思う時、解決策を見出すために本を読んだことがある人は多いと思います。
しかし、読んだ時は問題を解決しても、「後からまた読みたくなる本」に出会えることは少ないかもしれません。
今回は、細川功さんの著書である「具体と抽象」という本が非常にためになる、「後から読み返したくなる本」だったので、みなさんにも本コラムを通じてシェアします。

「具体と抽象」本紹介

今回ご紹介する「具体と抽象」という本の著者は、神奈川県生まれのビジネスコンサルタントとして活動する細谷功さんが執筆されました。

細谷功さんの他の著書は、以下の通りです。

  • 地頭力を鍛える(東洋経済新報社)
  • アナロジー思考(東洋経済新報社)
  • いま、すぐはじめる地頭力(だいわ文庫)
  • メタ思考トレーニング(PHPビジネス新書)
  • 会社の老化は止められない(亜紀書房) 他、訳書など

「具体と抽象」はAmazonの電子書籍、Kindle版でも購読可能です。
2023年12月時点でのレビューは2,623個、★4.4という高評価を得ています。

では、さっそくどのような本なのか、ご紹介していきましょう。

「具体と抽象」について

「具体」と「抽象」は、それぞれ以下の特徴がある相反する概念です。

「具体」
・応用が効かない
・人によって解釈の違いが生じない
・個別事象を見る
「抽象」
・汎用性が高い
・人によって解釈の違いが生じる
・パターン・法則を認識する
(ぼんやりした言葉なので分かりづらいかもしれませんが、気になった人は本を読んでみてください)
この本を通して、仕事において「抽象と具体」を意識すると良いなと思うポイントが3つピックアップします。

 

① 「抽象」と「具体」の尺度は相対的(人による)であることを念頭におく

あらゆる判断・事象・場合に「具体性・抽象性」が設定できますが、そのレベル感・スケール感は人によって感覚が異なります。「絶対的な抽象」や「絶対的な具体」は存在しません。

 

例えば、上司と部下で、仕事の目的やアウトプットの認識がズレていた経験はありませんでしょうか。

部下は「仕様書のレビュー」が目的だと思っていたけど、上司はあくまでもそれは手段だと思っていて、本当の目的は「投資の意思決定をするため」だと考えていた、などです。

目的と手段の関係も相対的に捉えることができ、これは仕事の捉え方の「抽象度(具体度)」が異なるために起こる認識相違であると説明できます。

他にも、「議論が噛み合わない」という状況に遭遇するかと思います。

この理由は様々考えられますが、おおよそは話し手同士の「その議論の抽象度認識(および具体度)の不一致」が原因です。

物事に対する「抽象度・具体度」の捉え方が異なる、という前提を意識下に置いておくと、他者とのコミュニケーション上のズレの原因が考えやすくなるのではないでしょうか。

②「抽象と具体の行き来」で話が上手くなる

抽象化の特徴として、「パターン認識をする」というものがあります。

話の上手い人はよく「たとえ話」を取り入れますが、素早く同じカテゴリの事象を脳内検索する力に長けています。また、同時に、世の中の具体事象同士の「共通点」および」「相違点」を見つけ出すのが上手です。

そしてこの力は、「抽象と具体を行き来することが上手い」と言い換えられます。

多くの人が「自分は話下手」と思っていますが、物事を捉える時に、「共通点」や「相違点」を整理する癖や訓練をすることで、もしかすると話が上手い人になれるかもしれません。

③ 仕事の価値観と自分の適性を「抽象・具体」の観点で把握する

世の中のおおよその仕事は、「抽象から具体への変換作業」であるといえます。

  1. まず、おおよその企画や戦略が立てられる
  2. それが詳細な計画へ進む
  3. 最後は具体的に実行されたりものが作られる

そして、世の中の多くの職種は、「抽象」寄り、または「具体」寄りのどちらかの仕事を主に担当するのが多いのではないでしょうか。

【例】

  • 「抽象」寄り:マーケター、コンサルタント、ストラテジストなど
  • 「具体」寄り:エンジニア、イラストレーター、イベントの実行者、製造責任者など

※デザイナーは「抽象と具体を行き来する」ようなポジションだと捉えていますが、UIデザインやグラフィックなどのアウトプットは「具体」の仕事と考えます。

 

それぞれの職種は、「創造的な企画を立案できる」や「効率的に質の高いモノが生み出せる」など、「抽象が得意」「具体が得意」がそれぞれのスペシャリティであり、それが特徴です。

自分はそもそも、「抽象的概念」と「具体的概念」のどちらを扱うのが得意か、考えてみてください。
ほとんどの人は後天的な訓練でいずれの概念も扱うことはできますが、得手不得手があると思います。

仕事が「抽象・具体」のどちらの概念を主に扱うのか、そしてご自分の「抽象・具体」に対する得手不得手を把握すると、自身の仕事に対する適性を判断できるかもしれません。

まとめ

今回は、「抽象」と「具体」の概念を仕事に生かすポイントをご紹介しました。

この「抽象と具体」という概念自体は、「抽象的」なレイヤー=汎用性の高い話だと感じています。

仕事以外でも「こんなところにも抽象と具体の概念がある」と考えること自体が、「抽象と具体を行き来する訓練」になりそうです。ぜひみなさんも意識してみてはいかがでしょうか。

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