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【2023年10月開始】ステマ規制の悩みどころ3選!よくある相談例
最終更新日 2024年1月13日(Sat)
「ステマ規制」とは、2023年10月1日から始まりましたステルマーケティングに関する景品表示法規制の略です。
SNS・インフルエンサーマーケティングのパイオニアを自負する弊社には、多種多様な業界/業種の方々からご相談をいただいております。
ステマのリスクアセスメントやリスクマネージメントを提供する中で、迷いやすい箇所には実は共通点があります。
この記事では、よくある代表的な3つのご相談について、具体例を用いながらご紹介していきましょう。
今回は、リデルシェア(note)にて弊社貫が担当した「ステマ規制!迷いどころ3選。」をコラム記事としてお届けします。
目次
1, 条件によってOK / NGが変わる
「ステマの境界線を教えてください」
「〇〇だからOK(NG)ですよね?」
お取引先の企業様より上記のようなご質問を頂きますが、ステマ規制は「こうだから、こう」と型にはめた定義ではありません。
「5w1h」「背景」「前後関係」など、様々な条件が消費者庁のガイドラインで定められており、OK/NGの境界線は条件によって異なります。
そもそも、ステマ規制は「企業の宣伝・販促の意図が含まれる、公にした表現(規制では「表示」と記載、SNSの投稿など)は、個人の意思で表現されたものとは明確に区別し、「企業の広告」と、誰もがわかるものにしましょう。」という目的の規制です。
言い換えると、「広告」か「個人の意思」か、を定義したガイドラインとなっています。
2, 発信する状況や条件でOK/NGが変わる
ステマ規制は、「広告」か「個人の意思」かを客観的に判断するため、5w1h、背景、前後関係など様々な条件が定められています。
そのため、シチュエーションや状況によって「OKか」「NGか」が変わります。
わかりやすい事例のひとつに、よくある「〇〇したらプレゼント(懸賞)」があります。
パターンA
【例】Googleマップで自由にコメントしてくれたらトッピングをプレゼント
この場合は、消費者庁のガイドラインの「第2-2 事業者が表示の内容に関与したとされないもの」の”カ”になります。
第三者が、事業者がSNS上で行うキャンペーンや懸賞に応募するために、当該第三者の自主的な意思に基づく内容として当該SNS等に表示を行う場合。
(出典)「一般消費者が事業者の表示であることを判断することが困難である表示」の運用基準
パターンB
【例】注文したラーメンを、画像は「スープにレンゲをさして」ハッシュタグは「#レンゲが立つ濃厚スープ」とつけて、公式アカウントにメンションを付けてくれたらトッピングプレゼント
上記のパターンもよく見かける手法です。
アパレルやコスメで「このアイテムをこんなシチュエーションでハッシュタグ付けて」というパターンも同じです。
この場合は、消費者庁ガイドラインの「第2(2)ア(ア)事業者が第三者の表示内容決定に関与している場合〜」に該当します。
事業者が第三者に対して当該第三者のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上や口コミサイト上等に自らの商品又は役務に係る表示をさせる場合。
(出典)「一般消費者が事業者の表示であることを判断することが困難である表示」の運用基準
3, 発信する人によってOK/NGの基準が変わる
そして、「企業(事業者)自らが発信」するのか、「第三者に依頼して発信」するのかによっても可否が分かれます。
ちなみに、消費者庁では「事業者の表示」としています。
平たく言えば「企業の発信」なのですが、管轄の『消費者庁表示対策課』とは、製品の品質表示や食品ラベルを担当していて、「広告」もそのひとつだから「事業者の表示」としているそうです。
では、本章の具体例を見ていきましょう。
「企業(事業者)自らが発信」する場合
【主に該当するもの】
①公式SNSアカウント
②ホームページ
③従業員/スタッフ(それに該当する人)のSNSなどの発信
上記のような企業が直接発信するもの、つまりオウンドメディアです。
OK/NGの条件は主に下記3つです。
- 宣伝や販促などに携わる職務か
- 「組織の取り組みか
- 一般の方と明確に区別できているか(紛らわしくないか)
NG条件のいずれかに当てはまれば、下記のような対処が必要です。
- プロフィールに所属や役割を記載する。
※例えば「〇〇ブランド、〇〇店、販売スタッフ」 - 投稿(発信するもの)に企業の取り組みであることを記載する
※例えば「〇〇ブランド、スタッフのおすすめ」
「では、人事担当者なら良いのでしょうか?」という質問をいただくことがありますが、下記のパターンは対処が必要です。
- 人事担当者だが、宣伝部の人から頼まれた場合【組織の取組に該当】
- 積極セール対象品で全社で販促の取組がされている(やり方は指定されていない)場合【組織の取組に該当】
モデルやスポーツトレーナー、スポーツ選手などが企業からスポンサーを受けたり、ブランドプロデューサーに就任することがあると思います。
「スポンサーから提供された商品をプライベート使用しており、SNS投稿している」
この場合でも、その商品提供にプロモーションの意図があるならば「一般消費者が、ひと目で企業の取組であることがわかる状態で発信する」ことへの注意が必要です。
また、SNS投稿を特定の条件で抽出し、ブランドサイトなどに転載(埋め込み表示)する場合は、「この条件で抽出しています」と明記が必要です。
世の中みんながこう思っていると勘違いさせることは「紛らわしい」に該当します。
「第三者に依頼して発信」する場合
【主に該当するもの】
①インフルエンサーに依頼したSNSの投稿
②キャンペーンの応募者などの一般消費者の発信
③友達、家族、取引先などの知人を通じての発信
企業が公式や従業員からではなく、インフルエンサーや一般消費者に発信してもらうものです。
OK/NGの条件は主に下記4つです。
- 発信を依頼した
- 宣伝や販促を目的に商品や役務を提供した
- 発信内容に関与した
- 提供した商品や役務以外にメリットやデメリットを提示した(匂わせた)
上記いずれかに当てはまれば、下記のような対処が必要です。
- #prや#adなどの広告表示
- 提供や依頼を受けて発信していることを明記
※例えば「〇〇[ブランド名]からいただきました」「▲▲イベントにご招待されました」「〇〇キャンペーンに当選しました」
ハッシュタグを用いた広告表示について、「#prって絶対必要なんじゃないの??」「#prがついていないものがステマじゃないの?」という話を耳にします。
ステマ規制は、企業が宣伝や販促目的で発信しているものを「誰もがわかりやすく明示する」ことで、消費者を惑わさない(正しい判断を阻害しない)ために制定されたものです。
よって、わかりやすければOKなのです。
もちろん、大量のハッシュタグに紛れ込ませていたり、別の場所に書かれていたり、極端に短い・早い・薄い、特殊でわかりづらい。などはNGとなります。
最後に
ステマ規制は、宣伝活動を制限するものではなく「誰もがひと目で広告や宣伝とわかるものにして、消費者を惑わせないようにしましょう!守りましょう!」というものです。
「広告とわかったらマーケティング効果が薄れてしまう」「今回効果が悪かったのは広告色(PR色)が強いからだ」なんて議論もありますが、それは「広告とわかったから」ではなく「その情報を見た人にとって有益ではなかった」と考えます。
ブランディング・販促いずれにおいても、人の心を動かし、行動を促し、そして長く愛してもらうのは容易なことではありません。
だからこそ、そこにクリエイティブの妙があり、多くの人から共感を得ているインフルエンサーの真価となります。
リデルはファッション・ビューティー業界専門紙『WWDJAPAN』へ協力し、【マンガで学ぶステマ規制】の連載をスタートいたしました。