導入のご検討・新規登録はこちらから
- インフルエンサーマーケティングのLIW TOP
- コラム
- 体験価値と共感のサイクルで購買の連鎖を産み出す
体験価値と共感のサイクルで購買の連鎖を産み出す
最終更新日 2024年10月17日(Thu)
記事作成日 2023年9月17日(Sun)
昨今の消費者の購買行動は、商品そのものの機能や価値ではなく「雰囲気」が重要です。
この「雰囲気」を作り出すのはインフルエンサーによる共感。そして、「体験価値」です。
今回は、体験価値と共感から生まれる購買動機について解説します。
インフルエンサーが生み出す雰囲気とは
今や広告媒体はマスメディアよりもソーシャルメディアが主流となっています。
マスメディアよりもソーシャルメディアの信用力が高くなった流れや消費者の思考については、以下の記事で解説していますので、そちらも参考にしてください。
関連記事
「購買行動の決め手と共感という付加価値について」
ただし、ソーシャルメディアには多くの情報が飛び交っているため、消費者個々で情報の真偽や重宝する情報かどうかを判断しなければいけません。
このときの情報を判断する軸が「雰囲気」なのです。
ソーシャルメディアを飛び交う情報から“良さそう”や“楽しそう”と感じるものを、自分のなかでピックアップしていきます。
この雰囲気は、飲食店の行列とよく似ています。行列のできる飲食店は、実際にお店の味を知らなくても、美味しそうと感じたり流行っていると感じたりするでしょう。
ソーシャルメディア内のインフルエンサーの投稿も同じです。インフルエンサーの投稿に多くのリアクションが付いているのを見て、楽しそうだったりに人気があるのだろうと感じたりするのです。
つまり、消費者の購買意欲をくすぐる雰囲気を作り出すには、必ず“人”が必要になります。
企業の商品をどれだけ前面に押し出した投稿をしても、そこに共感や雰囲気は生まれません。
人とモノが共存して、初めて共感も雰囲気も生まれるのです。この2つの重要な要素を作り出すのが、インフルエンサーなのです。
ソーシャルメディアによる消費者の購買行動
ソーシャルメディアで”雰囲気”が生まれる原理を、「起」「承」「転」「結」で考えていきましょう。
「起」は、消費者が共感する投稿を見つけるフェーズです。雰囲気を作る原点と考えてください。
「承」は、多くのユーザーが同じような投稿をしていると知り「つながり」を見つけるフェーズです。
ここまでで多くの消費者はモノに対して盛り上がっている雰囲気を感じ、興味を持ち始めます。
そして「転」の体験したい欲求や、実際に購入をする行動につながります。
従来のマーケティングモデルのほとんどは「認知→興味→比較→購入」となるので、従来であれば購入までで終わりです。
しかし、現在のモデルは、購入で終わりではありません。なぜなら、消費者はモノを購入して体験したいからです。
消費者にとって購入することは手段であって目的ではありません。
つまり、起承転結の「結」は体験になります。さらに大事なのが「結」の体験には、シェアも含まれているということです。
このシェアは、新たな「起」を生み出し、大きな雰囲気を作る循環になります。起承転結を繰り返すことで、大きなムーブメントとなっていくのです。
関連記事
SNSマーケティング成功事例!企業の集客・拡散につながるプロモーションとは
企業が提供するのは体験の場であるべき
従来の企業のほとんどは、自社の商品を使ってどのような生活をしてほしいという消費者の生活まで考えていたでしょう。
ペルソナやターゲットを考える上で、商品を手にした消費者の生活を考えることは決して間違いではありません。
しかし、多くの企業が失敗をしてしまう原因として、作り込み過ぎてしまうことにあります。
企業側が考える、商品を手にした消費者の姿や消費者が商品を手にするまでの流れは、絶対にそうであるべきではありません。今は、消費者が自分で未来を決める時代なのです。
消費者に与える“自由”な体験
これまでの企業は、マーケティングの法則や売り方の法則にこだわりすぎていました。もちろん、製品やサービスを作る側として、こだわることは間違いではありません。
しかし、ソーシャルメディアで雰囲気を作るためには、考えすぎたりこだわりすぎたりしてはいけないのです。
なぜなら、企業側の商品に対するこだわりや使い方などは、消費者にとって窮屈なものでしかないからです。
消費者は、自分の意思で商品を選び、購入しています。そこに対して、消費者は企業から「与えられた」という感覚はありません。
しかし、企業側のあまりにも強すぎるこだわりは、消費者に「与えられている」感覚をもたしかねません。
そのため、これからの企業が重視すべきなのは、商品と消費者が自由に出会う場を考えることです。
自分で選び納得した購入するという体験価値が、消費者の満足に直結します。
消費者が求めるのは納得感
現在の消費者の行動について、わかりやすい例を解説します。
たとえば、家電量販店で大き目で利便性の高い炊飯器を探しているAさんがいるとします。
Aさんは家電量販店のスタッフに、自分の求めている炊飯器の特徴を伝えました。
するとスタッフは、Aさんに対しておすすめの商品を紹介します。
ここで、Aさんはスタッフがおすすめした商品を購入するでしょうか?答えはNOです。
家電量販店としては、Aさんが求める条件に当てはまる炊飯器を紹介しているのに、Aさんは購入しません。
自分が納得したものを購入したいと考えているために、おすすめされたものをストレートに購入しようという気持ちにはならないのです。
なぜなら、そこにはある種の押し付けを感じてしまうからです。
どれだけスタッフがAさんの希望を汲み取って要望に合ったものを考えぬいても、Aさんは満足しません。自分で選んで自分の意思で購入する納得感が必要なのです。
この納得感こそが、消費者の満足でもあり、体験価値といえます。
消費者の自由から生まれたヒット
先述したように、これからの企業は自社の商品をどのように消費者が使うべきかを考えすぎる必要はありません。
ヒット商品になるものは、思いもよらないところから生まれます。
とくにわかりやすい例として、化粧品ブランド『シーブリーズ』の「デオ&ウォーター」という制汗デオドラントスプレーについて紹介します。
デオ&ウォーターは、複数の香りがあり、パッケージもイメージごとにカラーの違う商品です。
制汗デオドラントスプレーであるため、一般的な使い方は制汗剤以外にはありませんし、さまざまな香りがするだけでは、大きな差別化を生みません。
しかし、ここで差別化を生んだのが、イメージごとに異なるカラーだったのです。
カラーの異なるキャップを仲間同士で交換することが女子高生を中心に流行り、キャップとパッケージの色が異なる組み合わせのボトルを「友情の証」、もしくは「恋人同士の想いの証」として写真を撮り、 ソーシャルメディアに投稿し 始めました。
すると、投稿を見たユーザーが同じようにキャップ交換をしはじめ、多くの人に広がっていったのです。
キャップを交換して友情や恋人の証にするという使い方は、シーブリーズ側もまったく狙っていなかったでしょう。
ではなぜこのようなムーブメントが生まれたのかというと、使い方の自由によってアイデンティティを実感できたからです。
当然、制汗デオドラントスプレー本来の使い方は限られていますが、このムーブメントによって、主目的以外で購入する人も多くなりました。
これこそが「体験価値」です。
このムーブメントの大きな要因となっているのは、消費者の多くが「自分も同じことをやってみたい」という気持ちです。
決して、製品の機能や香り、使いやすさでムーブメントができあがったわけではありません。 また、このムーブメントを生んだ要因として、企業側が狙っていなかったことも大きな理由です。
もし企業側がキャップ交換をイメージしてカラフルであったりボディとキャップの色を変えるデザインをしていたら、このムーブメントは生まれていなかったでしょう。
企業側が「キャップ交換して楽しんでください」のようなPRをしても、ここまで大きなムーブメントにはなっていなかったかもしれません。
女子高生たちが自分の意思で自由に作り出したアイディアだからこそ、大きな流行が生まれたのです。
体験から共感を生むための企業の姿勢
体験から共感を生むためには、企業側の製品やサービスに対する姿勢を見つめ直す必要があります。
先述したように、今は企業側が製品やサービスに対して考えすぎてしまう必要はありません。
市場に製品やサービスを出せば、後は消費者が使い方を考えます。
使い方まで企業が限定してしまうと、「デオ&ウォーター」のようなヒット商品は生まれません。
では、具体的に企業はどのような姿勢であるべきなのか、以下で解説します。
関連記事
企業SNSマーケティングの戦略の立て方と成功のコツ
消費者に自由を楽しんでもらう
「デオ&ウォーター」の事例からわかるのは、現在の流行りとなるヒット商品は、その商品自体が欲しいという気持ちではなく、その商品で何をするか?という気持ちが購入動機になるということです。
もちろん、製品の機能が魅力的で購入するケースもあります。
しかし、それ以上に今求められているのは、商品を手にした後の体験なのです。
「デオ&ウォーター」の事例でたとえるならば、女子高生達は本来の制汗剤の機能である「汗をおさえてにおいが気にならない」という確実性のある未来を求めているのではなく「ソーシャルメディアで人気の投稿と同じことをしたら同じ気持ちになれるのではないか」という、不確実性の未来を求めているといえます。
これこそが、消費者に自由を楽しんでもらうということです。
未知の可能性を作り出すのがインフルエンサー
これからの企業は、商品がどのような雰囲気で広がりを見せていくのかをアシストするような柔軟性が求められます。
多くの企業は広がりを消費者任せにするのを不安に感じるかもしれません。
しかし、オリジナリティがなければ体験も共感も生み出せません。
企業側がモノやサービスの価値を固めてしまっていれば、「デオ&ウォーター」のような例は生み出されませんでした。
さらに、このオリジナリティを生み出すのが、インフルエンサーの存在です。
個々に特徴のあるインフルエンサーに商品PRを依頼すれば、企業側が想像しなかったような切り口で商品を宣伝してくれます。
ただし、先述したように企業側がモノやサービスの価値を固めないことが大前提です。
インフルエンサーは、個々に特徴を持ち、個性があるからこそ人気があります。企業側がすべての指示を出してPRしてもらっても、インフルエンサーの個性は出ません。
つまり、自由な価値やオリジナリティは生まれないのです。
そこで、企業側の柔軟な姿勢が試されます。
インフルエンサーによるPR方法や広がり方を制限せずに任せることで、自由な発想で商品が広がります。
「デオ&ウォーター」の事例で女子高生の数人が始めたことが自然と大きく広がっていったように、インフルエンサーマーケティングも独自の発想が大きな広がりになります。
体験価値から共感を生み出すソーシャルメディア
新しい体験価値という点のみでいえば、これまでの商品でも企業側が想像しなかったような使われ方をされているものは沢山あります。
しかし、その体験から購買動機に繋がらなかったのは、ソーシャルメディアというプラットフォームがなかったからです。
どれだけ斬新で面白い商品の使い方をしても、ソーシャルメディアのない時代では広まることがありませんでした。
しかし、今は日本中はもちろん、世界中に情報が伝わります。
だから、新しい体験からの共感が生まれるのです。
さらに、ソーシャルメディアの力は、共感だけに留まりません。
ソーシャルメディアは、自分が共感した存在そのものになれます。
「デオ&ウォーター」のように、共感した投稿を自分が真似ることで、今度は自分が共感する内容を投稿する側になれます。
その結果、体験・共感・雰囲気のサイクルが生まれ、ヒット商品を生み出すのです。
体験と共感の価値を理解しなければならない
これまでの企業は、モノの価値のみに注目していました。
しかし、今はモノの価値や機能性だけではなく、体験と共感がヒットを生み出す時代です。
反対にいえば、体験や共感が生まれなければ、他社との差別化要因が生まれません。
さらに理解しなければいけないのが、インフルエンサーの存在と関わり方です。
今やソーシャルメディアを語る上で、ソーシャルメディアで企業が戦う上でインフルエンサーの存在は無視できません。
企業がどのような姿勢でどのようにソーシャルメディアを活用すべきかを考えて、自社ならではの購買サイクルを生み出しましょう。
LIWでは、マーケティング施策の企画戦略から実行までを一貫してサポートします。6,000社の実績データを基に成功パターンを共有させていただきますので、多業種の企業様に対してもご支援させていただきます。
LIWでは【認知・周知 ▷ 広告・宣伝 ▷ 制作・運用 ▷ 接客・販売 ▷ 調査・開発】
の5つのメイン機能を一元管理し、貴社のSNSやインフルエンサーマーケティング成功に導きます。
SNSやインフルエンサーマーケティングでお悩みの方は、LIWまでご相談ください。
https://service.liddell.tokyo/liw/