<時代を彩る一手> 「AnotherADdress」の挑戦—ファッションサブスクで生まれる新たな選択肢

株式会社大丸松坂屋百貨店

ファッションの楽しみ方に、店舗・通信販売(EC)の両方があるのはもはや当たり前ですが、そこから更なる選択肢としてここ数年その存在感を大きくしているのが「ファッションのサブスクリプション(定額・定期購入)」です。音楽や本、WEBサービスと同様、定額で多くの選択肢の中から選ぶ楽しさと、環境・社会に優しい資源=服が循環する仕組みを実現しているのが、本日紹介する株式会社大丸松坂屋百貨店の社内ベンチャー事業である「AnotherADdress」です。世界にまだ広くは知られていないサービスを打ち出す際に、どのような視点で企画が作られていったのか、同社 デジタル事業推進担当マネジャー 田端竜也様と、窪川有咲様にお話をうかがいました。

株式会社 大丸松坂屋百貨店 デジタル事業推進担当マネジャー 田端竜也様 窪川有咲様

未知の「ファッションのサブスクリプション」をいかに魅力的に伝えるか。

  • ファッションのサブスクという業態自体の認知度が低い。
  • 既存のECサービスと異なり、1枚の画像だけで訴求することが難しい。
  • 新しいサービスだからこそ「イケてる」イメージを持ってもらいたかった。

SNS施策にも既存の広告戦略にも強く、面白いことがやれる手応えがあった。

  • 広告代理店よりもフレキシブルで費用対効果の高いサービスが期待できた。
  • インフルエンサー施策とデジタルマーケティングの双方への知見があった。
  • 面白いことをロジカルにやれる提案力に安心感。

サービスのフェーズに合った施策で、認知の量も質も両立して獲得。

  • 初期登録者数目標の2倍を超える反応を獲得。
  • 自分事としての発信が届き、サービスが身近な存在に。
  • 刺さるクリエイティブの分析ができ、その他業務にも活用できる経験になった。

サービス利用前
課題

未知の「ファッションのサブスクリプション」をいかに魅力的に伝えるか。

一番の課題は、ファッションのサブスクリプションというAnother ADdressサービス形態自体が一般的なECサイトと違って認知されていない点です。ECサイトであれば、消費者がすでに仕組みを理解しているから、極論、訴求できる画像が1枚あれば売れるんですけど、このサービスはそうではないところからのスタートです。業態としての認知が低い上に、各社サービスの仕組みがそれぞれ違っていましたから、1枚絵だけのクリエイティブではコンバージョンに繋がりにくいという仮説がありました。
そこで、ターゲットに近い人からの「実際に使ってみてこうだったよ」という等身大の声でお客様に伝えるような発信の仕方をしたいと考えました。今の時代SNS広告・インフルエンサー施策を視野に入れないのはマーケティング上ありえないと思っているので、自然にその流れでSNSの施策を検討しました。ファッションサブスクの競合他社も、一般のアパレルブランドも使っていますし、かと言って「他がやっているから」というのでもなく、今の時代の当たり前と、事業特性から考えたときに説明の情報量が必要だというところで、自然とその方針に着地していきましたね。

サービス自体を理解してもらわないといけないという点の他、もう一つ当初からこだわっていたのが、イケてるイメージをつけたい、ということです。新しいファッションの風が吹いているんだって感じてほしいというか。だからあえて、大丸松坂屋百貨店という強い屋号は使わず、こんな新しいサービスができたんだぞ!ということをどう打ち出して、どう広げていくかを課題としてじっくり考えました。

LIDDELLと
取り組んだ理由

SNS施策にも既存の広告戦略にも強く、面白いことがやれる手応えがあった。

1つ目の理由は、コストとフレキシビリティ。たとえば広告代理店にインフルエンサーマーケティングをやりたいと相談すると、いろいろな提案はいただけるのですが、当然そこにコストが乗ってきます。その一方でインフルエンサーとは距離があると感じていて、費用対効果については考える必要がありました。
そうなったときに、もっとライトにいろいろなことができる会社はないか?と考えていたところで、リデルさんのプランや施策の取り組み方がフィットしました。ちょうど、社内の他部署の方から紹介していただいたんです。勢いがあって面白いことがやれるインフルエンサーマーケティングの会社を探している、と相談した際に。

もう1つの理由は、提案内容ですね。タイアップと広告と、両面で動けるプランが魅力的でした。
既存のデジタルマーケティング・広告の知見と、インフルエンサー周りのSNS施策の両面をリデルさんはカバーできる柔軟性を持っているので、そういう方向でうまくやっていけるなという感触がありました。提案を通していろんなアプローチができるんだなと勉強になりましたし、どちらかだけと切り分けるのではなく、相互に作用しあいながら結果に繋げて行けたと感じています。施策におけるAIDMA*の考え方も理路整然としていて、認知から刈り取りまで一貫して担っていただく中での面白さと安心感が両方ありました。
(*AIDMAとは、ユーザーの購買決定プロセスを説明するためのフレームワークのひとつで、[Attention:注目][Interest:興味][Desire:欲求][Memory:記憶][Action:行動] 単語の頭文字を取って構成されています。)

たとえばですけど、初めてご依頼したローンチ時の施策においては、サービスの先行登録期間を工夫できました。その期間は一般の方は登録は出来るけれどまだ使えない、インフルエンサーさんだけが先にサービスを体験できる期間でした。公開当初は服が足りない状態が予想されましたから、同時に解禁するとインフルエンサーさんにも服が届けられなかったり、あるいは「なぜ私たちは『待ち状態』なのに、インフルエンサーの人は手に入るの?」と思わせてしまったりしたと思うんです。
ですが、そこを先行期間とすることで解決できました。良い形で発信できたのも、柔軟な施策の進め方とサービスとの相性の良さがあったからだと思います。動き出す前に、こんなインフルエンサーさんが使っているならイケてるサービスなんだ、ということを認知してもらい盛り上げることもできました。

施策の効果

サービスのフェーズに合った施策で、認知の量も質も両立して獲得。

そういうわけで、1回目の施策ではCtoCプレスリリースサービスであるエメラルドポストを活用して、圧倒的な認知が取れました。全体で事前会員登録者数目標1500名/月を掲げていましたが、それを大きく上回る3500名に登録いただけました。それだけではなく、SNS経由に限らずサイト訪問からの会員登録が初月10%を超えたんです。この数字は、実際にユーザーとなってくれる質の高い層を誘客することができたと捉えていますし、その結果を受けて、2回目のご依頼もぜひリデルさんに、と自然にお声かけさせていただきました。

2回目はサービスを2年間やったところで、ペルソナも見えてきたタイミング。より多くの人に届けられるよう服の準備も整い、出店ブランドの新規参画もあって、さらに積極的に顧客を増やしたかったときです。インフルエンサーさんとのタイアップ投稿ではリーチ率が70%と非常に高く、新たな認知に繋がりました。何より、実績を積んだ上で、どのクリエイティブが良いのかを把握したいという大きな仮説検証ができたことが収穫です。優良会員の獲得も、コンバージョン獲得に繋がったクリエイティブを分析することで、どういった表現や見せ方がヒットするのかや、訴求軸がわかりました。文字の入れ方や訴求の仕方ひとつでこんなに反応が変わるんだという手ごたえがあり、この傾向がわかったことで、次のステップへの成果に繋がったんです。
施策はチーム内で共有していたので、別で広告を打つ際や施策を考えるときにも、「こういう結果があったから、こういうことをやってみよう」という1つのキッカケとなってくれました。いわゆるA/Bテスト的に施策に落としこむことができて、リデルさんとの経験が別の広告にも活かせる血肉になりました。

次の段階として、AnotherADdress自身のSNSアカウント運用をもっと強化して、ファンマーケティングをしていかなければならないタイミングに来ていると思っています。新規ユーザーの獲得と既存フォロワーのエンゲージメント獲得の両面を狙っていく中で、ファンと私たちの双方向のかかわりを作っていくことや、ファンコミュニティ形成について学んで考えていかねばなりませんね。



おわりに


まだまだ業界の認知を大きくしていく必要があります、と、サービスを順調に牽引しながらも大局を見据えるお二方。「従来的な1枚の画像ベースで伝えることが難しい状態。それを自分事として発信できる方と協力していきたいですね。そこから、オフラインでの試着イベントなんかを一緒に集客していけば、またひとつ盛り上げていけると思います。」と、SNSを通して繋がった人たちが実際に登録・利用まで踏み出せるよう、ロジカルでありながら血の通ったビジョンもお話しいただきました。
サービスのスタート時、そしてブーストのタイミングと期待をかけてくださった思いを胸に、より多くの人にAnotherADdressの、ひいては新しいファッションサービスの魅力が伝わるよう、リデルも邁進していきます。

株式会社 大丸松坂屋百貨店

株式会社大丸松坂屋百貨店は、江戸時代の創業から現代まで、移り変わる暮らしの中で常にお客様の幸せを発明していくことを目指しています。Another ADdressは、服の使い捨て・買い切りという固定観念を超え、ファッションの本質的な価値やサステナブルな取り組みを重視した、持続可能な未来へ繋がるファッションのサブスクリプションサービスを提供します。洗練されたブランドの中から、自由に選べる新しいファッションの体験で、これまでの百貨店の構造を塗り替えるサービスです。

株式会社大丸松坂屋百貨店は、江戸時代の創業から現代まで、移り変わる暮らしの中で常にお客様の幸せを発明していくことを目指しています。Another ADdressは、服の使い捨て・買い切りという固定観念を超え、ファッションの本質的な価値やサステナブルな取り組みを重視した、持続可能な未来へ繋がるファッションのサブスクリプションサービスを提供します。洗練されたブランドの中から、自由に選べる新しいファッションの体験で、これまでの百貨店の構造を塗り替えるサービスです。

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