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株式会社AOKI「ORIHICA」
生き方の多様化する現代社会において、ビジネスシーンのファッションの多様化も推進されてきました。クールビズ、ウォームビズから始まり、ジェンダーへの配慮、TPOを大切にしながらも自分らしさを表す着こなし…。今回インタビューをご紹介するORIHICA(株式会社AOKI)様のファッション事業では、これからのライフタイルの鍵となる装いの提案を大切にしておられます。
次なる時代を身にまとうORIHICAの商品部の兼田佑美様、松本幸恵様、そして施策実施当時のマーケティング部の小林様、鈴木恭平様にものづくりへの熱い思いとインフルエンサー施策を通して見えてきた新しい視点についてお話しいただきました。
はじめはECサイトへの誘因としてのSNS展開を検討していました。社会のニーズも含めSNSには本格的に力を入れていかねばならないという意識はありましたが、店舗販売での顧客とのやりとりの熱量を考えるとどうしても既存顧客中心の販促になりがちで、媒体もDMや紙ベースのものがメインになっていたのが施策実施前の状況です。
特にレディス商品をもっと世の中に広めたくて、同業他社さんの事例がどんな風にやっているのかを調査したところ、口コミが効果的に作られているのだとわかりました。商品がすごく良ければもちろん口コミは増えますが、それだけではなく自分から口に出して人に伝えたくなるような商品コンセプト・イメージ、あるいは話のネタとしてのきっかけを作り出すことが重要です。そんな風に伝えたいと思っていただくためにも、徹底的に商品開発にこだわり、プロダクトアウト(企業理論優先の商品開発)ではなく、消費者の悩みを解決する商品やニーズを吸い上げて反映した商品開発ができたらいいな、と考えていました。
また、フォロワーが多くブランドのファンでもある、「影響力×ファン力」のかけあわさったアンバサダーを起用したPR展開は確かに他社さんでも効果があるようでしたが、そういった人材がどの会社・ブランドでもすぐに見つかるわけでもありません。しかし、消費者の目線でSNSを展開していくことを考えたときに、そのどちらか片方だけではなく両方が必要なのも事実で、人材の創出・マッチングにも検討が必要でした。
人材についていうと、まず「インフルエンサー」と「アンバサダー」の違いってなんだろう、ということを考えたんです。弊社としては「アンバサダー」はブランドや商品に対してファン意識が強く、一方でフォロワー数などに起因する影響力は人によって幅がある方といった印象。「インフルエンサー」は影響力が高いことが前提で、しかしブランドとの繋がりは施策が始まってから深めていくケースが多い。。
弊社がどちらを活用していこうかと考えたときに、「影響力の強いファン」という人はすぐには見つけられなかったので、であればまずは影響力のあるインフルエンサーを起用し、施策を通してファンになってもらおうと思いました。ただPRするのではなく一緒になって商品を作り、インフルエンサー自身も周りにオススメしたくなるような商品企画をしていくという流れが作れれば、ファンとしてのパワーも兼ね備えらえると。
そんな風に考えたときに、以前からご縁があったリデルさんのインフルエンサー施策がフィットするなと感じてご依頼に至りました。特に、短期集中の拡散施策…つまり大量に露出させて刈り取って終わり、という考え方ではなく、中長期的に顧客が増えるPRを望んでいました。中長期施策となるとなかなか社内でGOが出るのも難しい面はありましたが、それは必要なことだと考えていたので、次世代へのアプローチの重要性やそのためにはSNSがカギになるということはあらかじめ社内で共有し、理解されやすい空気感を作っておきました。
また、最近のマーケティングの現場では、「ターゲットのインサイト」が複雑化しています。これまでなら、ペルソナを立てて「こういう人ならこういう傾向だから…」と仮定できたクラスターがなくなってきている。マジョリティを捕まえるのではなく、マイノリティ意見にヒントがあるのでは?と考えていたこともあり、リデルさんの強みである座談会を通したユーザー目線の意見の顕在化にも期待がありました。
定量的な成果としては、立ち上がりの売り上げは施策の計画比110%ほど。ECでの商品レビューも普段より高評価が多く、PRからのwebでのインプレッションはかなりありました。露出増は副次的な効果ではありますが、自社内で定量調査している広告換算金額において、かなりの成果が見られました。
数値以外でいえば、働くママにとって嬉しい企画だったという声をいただきました。ORIIHICAのレディス部門の想いである、働く女性のお役に立つことに合致しますし、これは嬉しいですね。正直なところ、雑誌などのパワーのある媒体に比べると全体としての動きは弱かったのですが、刺さるべき人にしっかり刺さったという印象です。
それにはインフルエンサーの座談会が鍵になったと思います。消費者ニーズを取り入れた商品開発を大切にするため一般的なユーザー調査はこれまでも行ってきていましたが、インフルエンサーの方の座談会というのは情報の感度と言語化する能力が全く違って、だからこそ強い共感の生まれるメッセージがいくつも出てきました。
情報の感度という点では、インタビュー時の情報の質がとても鋭く量も豊富。ハイブランドのモードのことをよく知っておられる一方で、ファストファッションのことも身近に感じていて、「これなら○○で同じようなものがもっと安く買える」などの情報もするっと出てきます。感覚はフォロワーである一般の方に近いけれど情報の量は多く、こちらのヒアリングにあわせて幅広くチューニングしてもらえました。
そして何より「インサイトを言語化できる」ことがキーとなりました。一般の働くママさんであれば、要望や改善点について気づいてはいるけれど言語化できない部分も、インフルエンサーの方は普段から伝えることを生業にしておられますから、インサイトを表出できる人が多かったです。座談会の回数を重ねるごとに、メーカーやプロの広告代理店がコピーライトしようとしても思いつかないようなワードがたくさん出てきました。感度が高いからこそ他社のプロモーションやキャンペーンも一般のママよりもキャッチしているし、それらを客観視しているところがあって、座談会で言語化されることで当事者間の強い共感を呼ぶメッセージを引き出せたんです。これに関しては、実際に座談会の運営をしているリデルスタッフさんのファシリテーション力もさすが専門家という感じで、一回一回の座談会の質が高かったのも印象的でした。
聞き出したインサイトをすべて商品開発に反映することはできなくても、商品部の担当者とインフルエンサーの間で「こういう形ならできるんですが、どうでしょう?」といったような提案、改善のやりとりをしていけます。どうやったら消費者が抱えている要望に対して納得のいくものを私たちが届けられるのか、常に心掛けていることですので、やりがいもありました。
対話を通して自分ごと化してもらって、そうして商品になったときに「私が関わったものだ」と思って手にしてもらえれば、結果的に親密な広報へと繋がっていきますから、商品を良くしていくために協働する熱量はこれからも大切にしていきたいですね。
今後は、SNSでの話題化から店舗でのメッセージへとつなげていけるかどうかが課題です。実際に足を運んでくれた方に売り場の見せ方でしっかりアピールできるか、そして店舗のお客様にもSNSに接触してもらって、両者をうまく回していけるようにできればと思っています。
株式会社AOKIは、あなたのスタイリスト「AOKI」と、次代のライフスタイルの扉を開く"鍵"となる「ORIHICA」の2つのファッションブランドを全国展開する企業です。ORIHICAでは、ビジネスとカジュアルを融合した「ビジカジ」スタイルでメンズ&レディスともに、様々なシーンのベストスタイルをご提案しています。ブランドコンセプトは、“Key to the new lifestyle”。カテゴリーの枠にとらわれず、アイテムを自由に編集する楽しみをお届けします。
株式会社AOKIは、あなたのスタイリスト「AOKI」と、次代のライフスタイルの扉を開く"鍵"となる「ORIHICA」の2つのファッションブランドを全国展開する企業です。ORIHICAでは、ビジネスとカジュアルを融合した「ビジカジ」スタイルでメンズ&レディスともに、様々なシーンのベストスタイルをご提案しています。ブランドコンセプトは、“Key to the new lifestyle”。カテゴリーの枠にとらわれず、アイテムを自由に編集する楽しみをお届けします。