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インフルエンサーマーケティングとは?インフルエンサー活用の基本とポイントを徹底解説
最終更新日 2024年10月17日(Thu)
記事作成日 2022年7月12日(Tue)
SNS上で大きな影響力を持つインフルエンサーの存在は、そのファンにとってのみならず、マーケティングにおいても欠かすことのできない存在となっています。
今日は、インフルエンサーとはどんな人のことを指すのか、定義や特徴、そしてビジネスやマーケティング・コミュニケーションにおいてどのような活躍が期待できるのかをお伝えします。
実際にインフルエンサーマーケティングに取り組む際に、まず押さえておきたいポイントをまとめました。
目次
インフルエンサーとは?
インフルエンサーとは、SNSなどを通じて、多くの人に影響を与える個人のことを指します。タレント、スポーツ選手、アーティスト、文化人といった、いわゆる「有名人」はもちろん、一般のSNSユーザーなどもそれに当てはまります。
語源は、英語の「influence」(影響や効果などを意味する)に、「~する人」という意味の接尾辞「er」を付けた言葉で、直訳すると「影響する人」という意味になります。
インフルエンサーとブロガーの違い
そもそも「インフルエンサー」とは、一体いつ頃から生まれたのか、と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
インフルエンサーという言葉が広まったのは、2007年頃だといわれています。それまでは、大きな影響力を持つブログを運営する人が「アルファブロガー」と呼ばれ、現在のインフルエンサーの役割を担っていました。
ブログ全盛期と多種多様なSNSが流行している現代との大きな違いは、「より多くの人が影響力を持つことができるようになった」ということです。
ブログ時代に活躍した「アルファブロガー」は、「ある程度長い文章を読み手にわかりやすく伝える」ことが必要でした。一方で、現代のSNS時代においては、短い文章や画像、映像、音声などさまざまな発信方法から最適なものを選ぶことができます。
つまり自分に合ったSNSを利用することで、誰もが影響力を持つインフルエンサーになれる可能性のある時代になったのです。
日本におけるネットユーザーのSNSの利用率は80%を超え、もはやSNSを使うのは当たり前の時代になっています(2022年現在)。誰もがSNSを使う時代において、インフルエンサーの重要性はますます高まっており、自社の商品やサービスのPRを考えるうえでも欠かせない存在といえます。
インフルエンサーの分類と特徴
インフルエンサーは、SNSのフォロワーの数を基準に分類されます。実は、マーケティングにおいて、起用するインフルエンサーのフォロワーの数は多ければ多いほど良い、というわけではありません。フォロワー数がより多いインフルエンサーは情報のリーチ数が高い一方で、リアクションの指標であるエンゲージメント率は下がる傾向があります。おおまかに、情報のリーチ数とエンゲージメント率は反比例すると覚えてください。
そのため、場合によっては、広告の目的が自社製品・サービスの理解促進や消費行動の訴求のときには、トップインフルエンサーよりも、ナノインフルエンサーに依頼したほうが効果的ということもあるかもしれません。
ここからは、インフルエンサーのフォロワーの数における、分類とそれぞれの影響力の特徴を紹介します。達成したい目的に合わせて適切なインフルエンサーを選ぶようにしましょう。
トップ(メガ)インフルエンサー
フォロワー数100万人以上のインフルエンサー。様々な分野の有名人、メディアでよく見る芸能人、有名YouTuberなどに多く、SNS内だけでなく一般的にも知名度が高い人たちです。フォロワーの層が特定のジャンルに偏らず、幅広いことも特徴です。フォロワー数が多い分、情報の到達率は圧倒的といえます。
ミドルインフルエンサー
フォロワー数10万人以上のインフルエンサー。美容、ファッションなど特定のジャンルのコミュニティで多くのファンを持つインフルエンサーです。芸能人などにも多く見られます。
マイクロインフルエンサー
フォロワー数1万人から10万人前後のインフルエンサー。会社員や学生の人も多く、フォロワーが親近感を持ちやすいインフルエンサーです。また、専門的なジャンルなどで活動する人もいます。リーチ率とエンゲージメント率のバランスが良い傾向があり、企業からの注目度が高いことも特徴です。
ナノインフルエンサー
フォロワー数1000~1万人前後のインフルエンサー。多くのユーザーはここに位置します。フォロワー数は少なくとも、特定のジャンルで強い影響力を持つ人もいます。
インフルエンサーマーケティングをビジネスに活用するメリットと注意点
インフルエンサーの影響力を活用して、自社製品・サービスの広告をすることをインフルエンサーマーケティングといいます。ただの口コミではなく、インフルエンサーに依頼をして、自社製品・サービスを個人の体験や共感を通じて紹介してもらい、認知度を上げたり、売り上げを伸ばしたりすることを目指す取り組みです。
2022年現在、日本のSNS利用者は8,000万人を超えています。SNSを活用したインフルエンサーマーケティングは、今、最も注目を集めている商品情報を届ける手法の一つです。その訴求力の高さから、実際に多くの企業が活用しています。
ただし、インフルエンサーマーケティングが持つ大きなメリットを得るには、いくつかの点に注意をする必要があります。
インフルエンサーマーケティングのメリット
- 狙ったターゲットに届きやすい
多くの場合、インフルエンサーのフォロワーは、そのインフルエンサーが普段発信している情報のジャンルや趣向性、考え方に興味を持っています。つまり、年齢や性別だけでなく、より細かい条件で絞ったターゲティングが可能です。適切なインフルエンサーに依頼することで、狙ったターゲットへ確実に情報を届けることができます。
- 情報の拡散を期待できる
通常、企業が直接発信する広告の拡散は起こりづらいでしょう。しかし、インフルエンサーがSNSで発信することで、多くのフォロワーに届くのはもちろん、フォロワーのリアクションによって、更なる情報の拡散が期待できます。
- 「生きた情報」としてのブランドの認知が広まる
インフルエンサーが作る、より消費者に近い目線の投稿は、説得力が高く、共感しやすい「生きた情報」として消費者に届けられます。また、Web広告などと比べて、広告臭が少ないことも、受け入れられやすい要因の一つです。
- 購買行動を促す口コミとして商品情報が広がる
広告を目にする人=フォロワーは、そのインフルエンサーにポジティブな興味関心を持っています。つまり、インフルエンサーが発信する情報にもまた、ポジティブな感想を持ちやすい状態です。そのコミュニティの中で、商品やサービスの情報を、インフルエンサー個人の体験を交えて本人の言葉で発信してもらうことで口コミのように親しみやすい情報としてフォロワーに届きます。その結果、フォロワーは「自分の好きなインフルエンサーが紹介しているから」と購入意欲を掻き立てられるのです。
インフルエンサーマーケティングの注意点
- ステマとみなされる可能性がある
広告臭が少ないことがインフルエンサーマーケティングの魅力の一つです。しかし、それをやりすぎれば、広告であることを意図的に隠すステマ(ステルスマーケティング)であるとみなされ、企業もインフルエンサーも非難の対象となる恐れがあります。
- 投稿をコントロールしない方が良い
文言や写真などの訴求方法について、細かい指示を出すと、投稿から「そのインフルエンサーらしさ」がなくなってしまう恐れがあります。すると、インフルエンサーの「言わされている」感が強くなり、フォロワーは共感できず、十分な効果を期待できなくなるでしょう。そのため、投稿の内容についてはある程度インフルエンサーに任せる必要があります。
- インフルエンサーとのコミュニケーションコストが発生する
依頼をしたいインフルエンサーが、芸能人などではない場合、広告についての知識などが少なく、通常よりもコミュニケーションにコストがかかる可能性もあります。
投稿の内容については、ある程度インフルエンサーに任せる一方で、誇大表現や誤表記などが起こらないよう、丁寧なすり合わせを心がけましょう。
【インフルエンサーマーケティングのポイント①】各SNSの特徴を掴む
現在、インフルエンサーが活躍するプラットフォームは、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSが主です。各SNSにはそれぞれ違った特徴があり、インフルエンサーの属性や、マーケティングでの活用方法も異なります。それぞれのプラットフォームの特徴を把握し、自社製品・サービスと相性がいいプラットフォームを選択することが大切です。ここからは、主なSNSとそれぞれの代表的なインフルエンサーをご紹介します。
X (旧Twitter):拡散力の高いインフルエンサーが鍵
X(旧Twitter)は140文字までの短いテキストを投稿できるプラットフォームです。現在はTwitter Blueという有料プランに入ることで最大2000文字までの長文ツイートも可能になりました。「リツイート」や「いいね」という機能があり、拡散力が高く、気軽にコメント返信(リプライ)をしたりなどコミュニケーションも活発です。リアルタイムなトレンドを掴みやすく、検索ツールとして使っている人も多いのが特徴です。
有名なインフルエンサー
- ハマごはん【お手軽レシピ】 https://twitter.com/hamagohan_r
- Testosterone https://twitter.com/badassceo
- 滝沢ガレソ https://twitter.com/takigare3
Instagram:世界観の表現が上手なインフルエンサーが多い
画像、動画をメインとしたプラットフォーム。ビジュアルに特化したSNSであるため、美容、料理、ファッション系のインフルエンサーが多く活動しています。インスタライブやストーリーズのアンケートスタンプなど、インタラクティブ性が高いことが特徴です。また、ユーザーの指向に合わせて投稿が表示されたり、インスタグラム上でオンラインショップを開設できたりと、コマースとしての魅力も。主にInstagramで活動をするインフルエンサーは、Instagrammer(インスタグラマー)と呼ばれることもあります。
有名なインフルエンサー
- ミチ https://www.instagram.com/mi0306chi/
- Seira https://www.instagram.com/seiralala_7/
- あああつし https://www.instagram.com/aaa_tsushi_/
YouTube:言葉・ビジュアルの両方で訴求力の高いインフルエンサー群
動画共有型のプラットフォーム。ビジネス系、エンタメ系など、幅広いジャンルの動画が揃っています。また、一定の条件をクリアした投稿者はYouTubeからインセンティブを得られることやSNSの中ではコンテンツの視聴時間が最も長いことも特徴です。投稿をしない、視聴のみのユーザーが多い傾向にあります。主にYouTubeで活動するインフルエンサーは、Youtuber(ユーチューバー)と呼ばれています。
有名なインフルエンサー
- コムドット https://www.youtube.com/channel/UCRxPrFmRHsXGWfAyE6oqrPQ
- 平成フラミンゴ https://www.youtube.com/channel/UCIOk-Q5kyDtSRaTIW7hIsng
- パパラピーズ https://www.youtube.com/c/paparapys
TikTok:短い動画でテンポ良く伝えるインフルエンサーが主力
TikTok(ティックトック)は、最大3分までのショート動画を中心としたプラットフォーム。だれでも簡単に投稿ができる仕組みとなっており、特に若年層を中心に広がりました。ミームと呼ばれる、模倣による投稿の連鎖が生まれやすいことも特徴です。最近では、ビジネスで利用する会社も増えています。主にTikTokで活動するインフルエンサーは、TikTokker(ティックトッカー)とも呼ばれます。
有名なインフルエンサー
- バヤシ Bayashi https://www.tiktok.com/@bayashi.tiktok
- しゅん(おおしま兄妹) https://www.tiktok.com/@oshima_
- M2DK/マツダ家の日常 https://www.tiktok.com/@matsudake
【インフルエンサーマーケティングのポイント②】費用対効果の検討
インフルエンサーマーケティングの費用は、多くの場合、依頼するインフルエンサーのフォロワー数によって費用が異なります。一般的には、フォロワー数×2~5円ほどと言われており、例えばフォロワーが1万人のインフルエンサーに投稿を依頼する場合は、1万人×2円=2万円となります。フォロワーの数やその人物の影響力によって、単価も上がる傾向があります。また投稿以外にも、コラボ企画の開催など、どのような施策を行うかによって費用は変動します。
ここで一つ注意したいのは、インフルエンサーマーケティングを行うにあたり、「1投稿あたりの費用ありきで考えない」ということです。
インフルエンサーの力を借りることでどのような成果を生み出したいのか、マーケティング活動の中での位置付けや、他施策への影響も合わせて最適なKPIを設定することが必要です。
Web広告との比較
インフルエンサーマーケティングは一般的なWeb広告の費用と比較すると、どのような価値があるでしょうか。Web広告についても様々な種類があり、扱う商材によっても異なってきますが、費用の相場は以下のようになっています。
課金形態 | 費用相場 | |
---|---|---|
リスティング広告 | クリック課金 | 1円~数百円/1クリック |
SNS広告 | クリック課金 | 20円~数百円/1クリック |
クリック広告 | クリック課金 | 10円~数百円/1クリック |
インプレッション課金 | 表示につき | 10円~数百円/1000回 |
PV数型 | PV数 | 1万回/10万円 |
細かなターゲティングが難しいWeb広告と比較すると、インフルエンサーマーケティングはより狙いたいユーザーにアプローチできるマーケティング手法です。単純にWeb上で露出を増やすだけでなく、見ている人の感情を動かし、行動を促すことのできるインフルエンサーマーケティングは、費用対効果の高い施策と言えます。
【インフルエンサーマーケティングのポイント③】「誰に」依頼するか
インフルエンサーマーケティングで最も重要なのは、やはり、どのインフルエンサーに依頼するかです。自社の達成したい目的に合わせて、効果を最大化できるよう、適切なインフルエンサーを選ぶ必要があります。これまでに説明をした「目的とインフルエンサーのフォロワーの数の関係」や、「各SNSの特徴」の他にも、以下のポイントに気を付けましょう。
サービスとインフルエンサーの世界観の一致
自社製品・サービスとインフルエンサーの持つ世界観が一致していることは、重要なポイントです。例えば、普段はモノトーン系のファッションで投稿しているインフルエンサーに、柄物のファッションやキャラクターの投稿を依頼しても、世界観が合わず、消費者にちぐはぐした印象を与えます。場合によっては、自社製品・サービスのイメージが下がる恐れもあります。インフルエンサーを選ぶときには、必ず自社製品・サービスと共通する世界観を持つ人にしましょう。
ターゲット層の見極め
まずは、自社製品・サービスのターゲット層をしっかりと見極めましょう。また、インフルエンサーだけではなく、その人のフォロワーもチェックする必要があります。
どんなに自社製品・サービスと世界観がぴったりのインフルエンサーを起用したとしても、フォロワーとターゲットにズレがあれば、具体的な購買に結び付けることは難しいでしょう。例えば、男性フォロワーが多いインフルエンサーに、女性向けの商品を依頼しても、購買に結びつけられません。他にも、年齢層や収入、趣味嗜好といったセグメントが一致しているか、ターゲット層とフォロワーをしっかりと見極めましょう。
過去の投稿の成果を把握する
インフルエンサーマーケティングは、高い費用対効果が期待される一方で、実際の投稿後にどのくらいの効果が出るのか、予想がしづらいという面があります。そんな時に参考にしたいのが、過去の投稿です。インプレッションやコンバージョンなどの過去の数字から、予想をたてましょう。もし、同じようなPR投稿をしていれば参考に出来るでしょう。
インフルエンサーマーケティングに取り組む4つのSTEP
では、具体的にどのようにインフルエンサーマーケティングを行えばいいのでしょうか。ここでは具体的な手順について説明します。
STEP1:目標を決める
インフルエンサーマーケティングで、まず初めにやるべきことは、目標を決めることです。どれくらいのインプレッションを獲得したいのか、コンバージョンはどれくらいにしたいか、ユーザーにどういったアクションをとって欲しいかなど。目標値を具体的に決めることで、インフルエンサーやプラットフォームの選択肢が見えてきます。
STEP2:インフルエンサーとプラットフォームを選択する
目標を決めたら、それに相応しいインフルエンサー、およびプラットフォームを選択します。目標が認知で、より多くの拡散を狙うならTwitterが最適かもしれません。認知でなく、自社製品・サービスのことをより深く知ってもらうことが目標なら、YouTubeでじっくり見せる、といった方法も考えられます。目標に合わせて、最も適した選択肢を探しましょう。
STEP3:投稿内容を決める
インフルエンサーとプラットフォームを決めたら、どのような投稿をするかを考えましょう。どういった投稿がフォロワーおよびターゲットに見られやすいのかは、インフルエンサーの方が熟知している場合もあります。また、インフルエンサーマーケティングでは、「インフルエンサーらしさ」が出ることが重要です。商品の説明と目的の共有をした後にも、具体的な投稿内容についてあれこれと細かな指示をするのはおすすめしません。ある程度インフルエンサーにお任せするのも、インフルエンサーマーケティングにおいて大切なポイントです。
STEP4:効果測定する
投稿の内容を決めたら、あとはインフルエンサーに投稿してもらいましょう。その後に大事なことは、その効果をしっかりと測定することです。マーケティング施策について、どういった方法で、どれくらいの期間まで効果を測るのかをあらかじめ決めておくことで、どれくらい効果があったのかを把握することができます。
インフルエンサーマーケティングに取り組みたい方へ
インフルエンサーマーケティングは、企業におけるマーケティング施策のニューノーマルとして注目を浴びています。今後、この流れはますます加速していくでしょう。
ぜひ、これを機会にインフルエンサーマーケティングの活用を考えてみて下さい。
とはいえ、インフルエンサーマーケティングのやりかたを学んだだけでは、実際に施策を打つのは簡単なことではありません。インフルエンサーを探すのも、効果を数値化して測定するのも、ノウハウなしにイチからトライ・アンド・エラーを繰り返すのは、いくらインフルエンサーマーケティングが費用対効果の高い手法といえども、建設的とは言い難いでしょう。
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