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<デジタル時代の新たな一歩>朝日新聞デジタルが北海道で挑む、インフルエンサーとの共鳴
株式会社朝日新聞社
活字離れなんて言葉が広まりだしたころから、新聞各社はマスメディアとしての使命を担う一方で、現代を生きる人々のライフスタイルに合わせて、新聞、そして情報それ自体の在り方と向き合い続けてきた。株式会社朝日新聞社が刊行している「朝日新聞デジタル」は、購読者のスマホやデジタルデバイスに変わらぬクオリティの情報を届ける。今回は中でも開拓に工夫が必要だった「北海道エリア」でのPRプロジェクトを振り返るとともに、マスメディア・マス広告とweb広告・SNS施策のそれぞれの広報としての性質を考えるインタビューとなった。同社 長谷部太郎 様が語るデジタル新聞のこれから、そしてインフルエンサーの投稿から聴こえてくる「社会の声」の重要性について、ぜひメディアに携わる企業・担当者の皆様に読んでいただきたい。
株式会社 朝日新聞社 長谷部太郎 様
サービス利用前
課題
地域特性を踏まえながら、新たに認知を開拓していく必要があった。
- 朝日新聞デジタルの認知が都市部中心に高く、地方での知名度が低かった。
- 地域にあわせたCM、WEB広告などの戦略がいまいち安定しなかった。
- 市場調査結果から、若者への認知を上げていきたいという目標を設定。
LIDDELLと
取り組んだ理由
若者へのアプローチの知見と、SNSマーケティングへの圧倒的な熱量。
- 若者へと認知拡大しやすいチャネルを作りたかったから。
- リデルのサービス・施策への熱量に頼もしさを感じた。
- スピーディーかつ提示する条件への柔軟な提案が魅力。
施策の効果
インフルエンサーから得られる「社会の声」に、社内の意識が新しいフェーズへ。
- 実験的な規模での実施だったが、検証して再挑戦するための展望が持てた。
- インフルエンサーの投稿から、自社内では生まれない気づきが得られた。
- プロジェクトの経験を通し、マーケティングの視点がアップデートされた。
サービス利用前
課題
地域特性を踏まえながら、新たに認知を開拓していく必要があった。
朝日新聞が「デジタル」に力を入れる以前の話ですが、そもそも新聞って、雑誌と同じで発行社側がどんな人が買っていったのかがわからない、購読者層が追えないコンテンツだったんです。それがデジタル化に時代や業界が進んでいき、顧客の姿が見えるようになってきた、というのがまず動きとしてありました。
そこからデジタル版の拡大へと動いていくわけですが、今回特に「北海道」にエリアを絞った認知拡大・獲得を目指してプロジェクトを動かしました。北海道では、紙の朝日新聞自体の知名度は一定あるものの、「朝日新聞デジタル」は案外知られていない、ところからのスタート。関東・関西中心の媒体だったので、地方にはどうしてもリーチが甘かったんです。一般的に全国紙よりも地方紙の方が地元の情報には詳しいですし、選ぶときにそっち…となりやすい傾向があります。
また、朝日新聞デジタルは購読期間に原則縛りがないサブスクリプションなので、無料期間は登録してもらえても、その後には解約されるという…コンバージョンしたのにマネタイズできないで終わる比率が高いというのも課題でした。
北海道はテレビ文化がいまだ根強い地域性があるので、CMを出したり、既存の検索広告を出したりと色々な施策を打ってみたものの、コレ!という一手は中々出ず。やれることは何でもやろう!という勢いはあったのですが、当初は手探り状態だった部分が大きかったです。
そんな中、大規模な市場調査を行い全国と北海道での購読率などの統計を取ったところ、「30~40代は、認知はしていても読まない」、10~20代の方が「認知率は低いが、知っている人の購読率は高い」という結果が見えてきました。 であれば若者の認知を上げていこうと考え、若者にリーチするためには?と検討したときに、インフルエンサーとのタイアップ施策というのが案に上がってきたんです。朝日新聞デジタルの購読プランには紙媒体とデジタル版の併用のプランもありますが、「デジタル」購読者のボリュームゾーンは紙面では読んでいない人。やはり若年層がキーになると考えました。
LIDDELLと
取り組んだ理由
若者へのアプローチの知見と、SNSマーケティングへの圧倒的な熱量。
当時は本当にいろいろなPRを試しましたね。検索広告をエリアに集中して展開してみたりだとか、テレビの地方局とコラボをしてみたり、フライヤーを作ってみたり、広報だけでなくアライアンスの企業を開拓して販売をお願いしたりと、いろいろな手段を試みていました。その中で、先ほどもお話ししたように若年層にリーチするチャネルとしてInstagram・インフルエンサーといったキーワードがあがってきました。
その時に、リデルさんのことを思い出して。思い出したというのは、以前別のプロジェクトを動かしていた際に、ピンポイントな拡散の施策について検討する中で、社内の者の紹介でリデルの社長・福田さんからお話を伺う機会があったんです。そこでの熱い説明が印象に残っていて、SNSでのマーケティングを相談するならと真っ先に思い浮かびました。
その後、他の企業も含めて問い合わせをしましたが、最もスピーディーに、とんとん拍子で話が進んでいったのがリデルさん。このテンポ感で答えをもらえるなら、ぜひ任せたいよね!と弊社プロジェクトメンバーもなりました。また、初めは大きな金額を投下するのではなく、まずは実験的にやってみたいという思惑もありました。エリアも絞っての施策ですし、他社さんだと難色を示されるケースもあったんですが、こちらがやりたかった条件の中でできることを最も積極的に、かつ良いご提案をいただけたのがリデルさんでした。
施策の効果
インフルエンサーから得られる「社会の声」に、社内の意識が新しいフェーズへ。
数値上の成果では、実験的な規模のためアサインしたインフルエンサーさんの人数が限られていたこともあり、また新聞という商品の特性もあるのかと思うのですが、一般的に想定されうるKPIには正直届かなかった部分もあります。ですが、インフルエンサーを選ぶ流れや交渉・やり取りといった初めてのフローを経験し、今回の結果を検証しながら挑戦していけば、効果がある施策を打てる手ごたえを感じました。
SNS施策とは異なりますが、今は1回CMを作ってテレビで大々的に打ち出そうという動きになっています。北海道の皆さんはテレビを見てくれていますから。そうして認知の裾野を広げる中で、インフルエンサー施策に改めて取り組みたいと考えています。
また、数字の話とは離れるのですが、施策を打つ以前は、いわゆるステマ的な動きに対してかなり慎重な感覚が弊社内にありました。インフルエンサーの方の発信で炎上したり、発信自体は問題がなくてもステマ的なやり方自体が批判されたりするのではないかという、漠然とした怖さがあったんです。
ですが、今回の施策を通して、しっかりインフルエンサーさんと組んで正しく発信すれば、リスクを抑えることができる、むしろちゃんと「刺さる」のだということを弊社内で認識できました。これはこれからのPRを考えていく中で大きな前進です。
それに重ねて、今回一緒にやってくれた4人のインフルエンサーさんは、刺さり具合にこそ個人差はありましたが、社内で議論していただけでは出てこない「朝日新聞デジタルの良さ」を言葉にしてくれて、それがもう目から鱗。こういう使い方をしている人がいるんだ!こんな魅力があったんだと、自分たちのことだから逆に見えていなかった「社会からの声」が、投稿を通して気づきを与えてくれました。
自社の人間をインフルエンサー化して…といったようなやり方もあるのかもしれませんが、それよりも社外にファンを作ってその人たちから新しい知見や視点をもらえるような繋がり方ができたらいいのかなと考えています。
そこから、さっきの意識の刷新の話ですが、弊社開発担当から「コンテンツの中身ではなくアプリ自体の使い勝手の良さを一緒に改善して広めてもらう、そういうやり方もできるかもしれませんね」と意見が出るなど、リスクを恐れていた頃には出てこなかった考え方を持つ人が増えました。
おわりに
1年にわたるプロジェクトを振り返り、「北海道の方の趣味嗜好や行動様式が見えてきたので、そこに目線をあわせたPRを展開していきたい」と今後の意気込みについて語ってくださった長谷部さん。マス広告・マスメディアの力を誰よりも知っている方々だからこそ、SNSマーケティングの魅力や武器のこともいち早く理解し共鳴し、手ごたえを感じていただけた嬉しい報告となりました。一般的な「知っている」という状態(=認知の獲得)の次のステップは「他と比べてどうなんだろう」「私だったらどうなんだろう」という比較検討や自分ごと化のフェーズ。そこから購読へと至る段階には、インフルエンサー施策をはじめとした人と企業を密に繋ぐ弊社のサービスで、また後押しさせていただきます。
株式会社 朝日新聞社
株式会社朝日新聞社は、「みなさまの豊かな暮らしに役立つ総合メディア企業」として、朝日新聞/朝日新聞デジタルなど、新聞の刊行をはじめとしたコンテンツ事業で情報社会を頼もしくナビゲートしていきます。小中高生に向けた新聞の発行、ニュースを読み解くことを通した思考力の育成教室の展開など、新聞を通して人の心を育てる教育事業にも力を入れている同社。真実を掘り起こし、小さな声に耳を傾け、情報の溢れる社会を生きるひとりひとりの生活に寄り添います。
株式会社朝日新聞社は、「みなさまの豊かな暮らしに役立つ総合メディア企業」として、朝日新聞/朝日新聞デジタルなど、新聞の刊行をはじめとしたコンテンツ事業で情報社会を頼もしくナビゲートしていきます。小中高生に向けた新聞の発行、ニュースを読み解くことを通した思考力の育成教室の展開など、新聞を通して人の心を育てる教育事業にも力を入れている同社。真実を掘り起こし、小さな声に耳を傾け、情報の溢れる社会を生きるひとりひとりの生活に寄り添います。